「技術書」の読書術
2023/1/17 20:10 - 2023/1/17 23:35
Kindle
https://scrapbox.io/files/63c682536e5592001f10c0ce.png
まえがき
ネットは「単語」の知識
書籍は「体系化」された知識
本書のテーマ
技術書の選び方
読み方
アウトプットの仕方
「#技術書の読書術」でツイートすると、著者が読んでくれるよ
目次
第1部 選び方
第2部 読み方
第3部 情報発信&共有
第1部 選び方
「自分に合う本を見つける」か「自分が本に合わせる」か
アタリの本屋を見つける
書店の立地によって品揃えに偏りがある
書店は棚への並べ方に工夫があり、比較選別しやすい
ウチの場合、ヨドバシアキバ、書泉、丸善かな
新刊とロングセラー、面陳と平積み
その本の難易度を知る(自分と相対的に)
そこを見て、ある程度わかるものを。
同じ書店に通って、店員さんに案内をお願いしつつ買えば、店員さんが自分を覚えてくれる
無いわー
本を書く側も、読者層に合わせて「一つのテーマを、いろんな角度で」出版している
買う側も、間違った層の本に行かないこと
例:概要を理解したい層、実装の手順を知りたい層、理論を理解したい層
余談:手順を知りたい系は、特にIT系は風化が一瞬なのだから、わざわざ書籍にする意味がない。せいぜい雑誌。
「入門書」が全くの初心者向けとは限らない点に注意。
本が何を前提にしているか、その前提を自分が満たせているか。
新刊が出た時、通知を受け取れると便利
「ブーム」を知るのには、雑誌が一覧性が良い
気に入った本が見つかったら、その著者のものを一連買ってみる、という作戦
他にも出版社やシリーズなど
「ランキング」で選ぶ
書評を参考にする。(自分と似た人、目指したいモデルの人が書いたレビューを参考にする)
図書館は、鮮度は期待できないが「技術の歴史」をみることができる。
カーリル:図書館の検索サービス(図書館の所在、蔵書状況)。API公開されている。 書籍とネット
ネットの方が情報の鮮度、取り寄せの簡便さはもちろん上
ただし、情報は断片的。「体系立てて理解する」スキルは読者次第。
書籍は、アタマから読んでいけば知識が積み上がるようになっている。
書籍で体系を築いてからネットの断片情報を取り入れる、が理想。
難しい技術は「ビジネス書」「新書」から入ってみる
シロウトに伝わる深度で、キーワードが網羅的に並んでいる
これを見てから、専門書にあたることで理解が容易になる
そのキーワードをヒトに説明する際にも、役に立つ
くじ引き読書法:図書館で全くランダムに1冊をセレクトし、それを読破する。刺激が得られる。
ランダムに選ぶ手法を図解まで使って説明るする必要はないだろう、と思った
英語の技術書
意外と読める。「英語の勉強が完了する日は一生来ない」から、とにかく始めるのが良い。
Packet:買い切り、サブスク両対応。セールあり(1冊5ドルなど)。 第2部 読み方
入門書、専門書、逆引き
逆引き=事例
オーケンは「まずそのジャンルの本を100冊読んでみてはどうか」と言っていた
「3の発想」という本がある
1冊でつまづく時、他の2冊のどちらかが自分にわかるように書いてくれている
どの本にも「他の2冊には書いていなかった」部分がある
どの本にも書いてあることは「それだけ重要なこと、基本的なこと」の意味
マギシステムで、3冊の書いてあることが衝突していたら、1冊が間違っているのだろう、と気づける
「資格をとること」を目標とする場合
過去問、赤本、文章の書き方の本(論述がある場合)
「受かれるハズの知識を持っている」ことと「受かる回答ができること(時間配分、過去問、論述)」は別。
読書の動機。本を読む時、どれかにはなっているはず。
消費:生活に必要な出費
浪費:贅沢な出費
投資:リターンが望める出費
今やっている読書のコスト(=時間、お金)は、どれになるだろう?を意識する。
分類とリンク
読書管理アプリで、読んだ本を管理する
Readee:楽天で買った本を自動で記録するアプリ。一生使わないじゃん。
ScrapBox:自力で登録。リンクすると関連付けされるところが強み。
物理本の整理問題
持たないのが正解よね。会社に置かせてもらう。
媒体のちがい
紙媒体のほうが「没頭」できるよ。他者がみて「読書している」とわかってもらえるよ。
電子書籍のメリット:
検索ができる、雑誌のバックナンバーの扱いが楽。
電子書籍のデメリット:
胴元の都合で読めなくなる可能性がある、人に貸せない。PDFダウンロードに対応していると解決できるけどね。
一度目は、読書。本の内容、流れを知る。
二度目は、実際に手を動かす。サンプルコードを打ち込んだり。
この「実践」が、かけがえのない価値となる。これをやらずにわかった気になるのはとてももったいない。
やってみたら意外なところでツマった、もある。それを実際に解決した経験を持つことが大事。
三度目は、その本での自分の経験をノートにまとめる。
ScrapBoxやQiitaなど。
プログラム言語の習得(急に話とんだな)
まずは一つの言語を学ぶ
次に、複数のプログラミング言語を習得する
立体的な知識が得られる
最初の一つ目の言語の特徴がわかる
「もっとプログラマ脳を鍛える数学パズル」:同著者。RubyとJSで解説している。
「RとPythonで学ぶ統計学入門」:同著者。タイトルの通り!
ハンズオンしっかりやろう
数学書の読み方
学ぶ範囲を絞る(=数学は、範囲が非常に広い!)
必要に応じた学習をしよう(=ゴールを定めて学習し、実務に生かす)
定義:用語などを定めたもの。「そういうこと」なのだから、疑問を挟む余地はない。
定理:定義を用いて何かを証明したもの。
(数学に限らず)言葉の「定義」を他者と確認しておくことは、基本。重要。
数式の場合:
斜体で書かれたもの=変数
小文字の斜体=ベクトル
大文字の斜体=行列
必要な時、必要なだけ勉強する
「超勉強法」野口悠紀雄
対義:基礎から一歩一歩登って目的地に着く
数学を理解するには「手書きノートに書く」のがいちばん良い。
図解が重要。「必要なものを描き、不要なものを描かない」訓練になる。
積読の解消法
積読は、なくならない
減らせば、その分つぎを買える
同時並行で読める本
3冊の入門書、など
一冊ずつ片付ける本
積読に重要度と緊急度をつける
その機能があればどう思うのか
その機能がなければどう思うのか
「うれしい、ふつう、こまる」の3段階で本を分類
https://scrapbox.io/files/63c69c421430d2001e6dbfde.png
読書の「再読」の価値(例えば資格本)
一年以内に再読することで、知識が定着する
技術書を読んだあと、索引を眺めて、どの用語も説明できるようなら「十分に理解した」といえる。
「要約サイト」というものがある
flier, SERENDIP, bookvineger
マーキング読書法(本にマークをつけ、脳に入れる)
要は、本で気になったところにマーカーや付箋で装飾すること。
暗記モノの場合、覚えたはずのところを筆ペンで塗りつぶし、二度と見えなくしてしまう方法もある。
再読する際、マーカー部分だけを読めばよい、とすることでスピードアップできる。
オーディオブック
audiobook.jp
Audible:声優、ナレーターが豪華
まぁ技術書のハナシじゃないよね
英文を翻訳して読むコツ
Packetで購入した英語本は、ウェブ上で表示できるので、これをDeepLで翻訳すると良い。
DeepLは改行が苦手。改行問題を回避するには、iPadならGoodNotesにPDFをインポートすると良い。
英単語を指で抑えれば、iPad内蔵の辞書で意味を引ける。
読書記録をつける
ひとつの分野に集中して、3年間で20冊以上を目安に精読し、成果を出す。
「一流になる=1万時間の経験」マルコム・グラッドウェル 一日10時間でも3年かかる。
20冊を精読し、ハンズオンの分野であれば実践し、アウトプットを重視する。
読破することが目的ではなく、身につけることが目的。
成果物を生み出し、公開していく。
書籍を読み尽くしたら、ネットの情報にもアクセスする。
RFC、ガイドライン文書、レクチャーノート、スライドなど
最終的に、学術論文を読む。
新しい学術論文を読めるようになれば、その分野の専門知識を持っていると言える。
ConnectedPapers:論文の参照文献を図解化してくれるサービス。
年間1千冊!
「アウトプットを出すためにも、まずは膨大なインプット」のスタンス。
1冊1000円として、100万円。
これを5年10年続ければ、一万冊読んだヒトになれる。世界が変わって見える。
HOWTO:
読書記録を必ずつける
読書対象を限定しない
本、雑誌、音声コンテンツ、動画、もカウント
だったらとっくに一万コンテンツ見とるわ
もし、今まで見たアニメ、映画、ゲーム、マンガ、音楽、ぜんぶリスト化してきていたら、資産になっていたかな
リストのおかげで、次に観るものも変わったかもね
途中でわからなくなっても、とにかく最後まで目を通す
数年後、再読すれば読めるようになっているだろう
読書に便利な道具
書見台、あると便利だよ
Googleレンズ使うと、スマホで簡易OCRできるよ
第3部 情報発信&共有
間違いに気づくために、アウトプットは不可欠
ヒトと交流してみないと、自分のおかしなところには気づけない
コミュニティのリスト
Slack
Discord
LTに挑戦する
「情報は発信するところに集まる」
資料の準備が頭の整理になる
受けた質問から学ぶ
ブログを書く
「稚拙だと自分で思うアウトプット」を出すことで、次が始まる
足りない部分をさらに調べ、書き足したくなる
アウトプットするから、インプットが欲しくなる。インプットをするから、アウトプットがしたくなる。
発信するテーマの選び方
テーマはヒトと違ってよい。そりゃそーだろ。
自分の視点を持つ
主語は「私」
「普遍的な情報」は責任を伴うが「私の意見」は自分のものなので、書ける
本を読む時も「私ならここをこう書く」という視点を持つと、飽きない、面白い
テクニック
誤植を検出するため、Wordとか使うと便利
音声入力で文字起こしをする方法もある。自分の話を書き起こさせる、公演の音声を書き起こさせる
テキストの読み上げ
Macのコンソールで "say <TextFile>" を使うと、読み上げてくれる
学習をアウトプットすることで、知識の定着率が飛躍的に上がる!
しない場合:2週間で10〜20%、した場合:90%
アウトプットのスタイル
ヒトに話す、アドバイスする
キズナも生まれる
SNS等で感想を述べる
コミュニケーション
進捗や学びを発信する
アウトプット(コード、アプリケーション)を制作する
お金も稼げる
アウトプットノートを作る
読書記録とは異なる「自分にとってどんな影響があったか」のノート
資格試験を受ける
良い節目。肩書きにもなる。
仕事や日常生活に生かす
ツール開発、工作
技術同人誌を書く、雑誌の記事を書く、商業誌を書く
勉強会に参加する、主催者になる
公演、登壇する
文章を上達させるための「三多」
多くの本を読むこと
多くの分を作ること
多く工夫して推敲すること
アウトプットの「評判」にはこだわらない
鈍感力!
あとがき
「ホワイトハッカーの教科書」も出してるから、よろしくね
ハッカーの教科書
ハッキング・ラボのつくりかた
ハッカーの学校
IT用語図鑑
プログラマ脳を鍛える数学パズル
読み終わって
これまで、なんとなく感覚で持っていた読書のコツが言語化されていて、良かった。次から自分の言葉で使おう。
入門書を3冊揃える
入門書、専門書、事例、の3段階で読み進める
「読みつつアウトプット」。アウトプットすることで自身に定着する。
「自分の言葉で表現する」のは快感。
他者に見えるところにアウトプットを置くのは、ちょっと緊張感もあって刺激になる。
同じ本を再読するのが大事
特に技術書は、3回読む:
一回目は、まず一周読む
二回目は、精読。パートごとに理解する。
三回目は、ハンズオンを実践する。
新しい考え方も覚えられた。
一つの領域でナンバーワンになるのは、もちろん容易ではない。
三つの領域で「ちゃんと理解している」レベルになることで、ナンバーワンの組み合わせになれる(かもね)。
一つの領域を「ちゃんと理解している(専門家)」になる目安:
まず、最低20冊を精読する
次に、ネットの情報(RFC、オーソリティの動画、スライド等)を観る
最後に、学術論文を読める
一つの領域で一流になるための一万時間(=10時間×3年)を、3分配するイメージ。
まずは、多読!
年間1000冊読めば、10年で一万冊読んだヒトになれる。
読書記録、大事。
サービスとかツールとか、使っていこう
オライリーのサブスク
Packet × DeepL
書評サイト、要約サイト
コミュニティ
アウトプットすることで「自分のアイデンティティ」が確立されていく
例えば「こんな本を読んでいる」を重ねていくだけでも、どんな人か伝わる
「情報を発信するところに、情報は集まる」
主催、でなにかやれたらいいね。コネが広がる。
本への感想
著者が二人で、読んだ感覚が全然違った
なんというか、別に噛み合っていない。なんなら二人で同じこと言っていたり。
増井さんのパートの方が、自分は好み。書籍らしい文章。
IPSIRONさんのパートは、ブログっぽい。例が具体的すぎて、すぐ風化する。
「技術書の読み方」っぽさは、薄い。なんか読書そのものについての話題の方が多い。
「技術書の内容を要領よくマイ辞書に整理し直す方法」とか、そういうのを期待していた。
とはいえ、二人分の読書スタイルを知れたので、楽しかった。
その他
このScrapBoxをつけながら読了するまで、3時間半
2時間で収まるように、読書上手くなりたい!
以上