認知療法尺度
cognitive therapy rating scale
scale
0 劣惡、1 不充分、2 竝み、3 妥當、4 よい、5 非常によい、6 素晴らしい
訓練してゐなければ普通は 1、不得意であれば 0、偶然にも得意であれば 3 に成るだらう。訓練しても 6 を恆常的に達成するのは難しい
より惡く成る點を言へないなら 0 を、より好く成る點を言へないなら 6 を迷ひ無く附ける
agenda
0 治療者は agenda を設定しなかった
2 治療者は agenda を設定したが、その agenda は不明確または不完全であった
4 治療者は患者とともに、標的となる具體的な問題 (例 : 職場での不安、結婚生活の不滿) を含む、雙方にとって滿足のいく agenda を設定した
6 治療者は患者とともに、標的となる問題に關し、使用可能な時閒に合った適切な agenda を設定した。その後優先順位を決定し、agenda に沿って進行した
feedback
0 治療者は、session に對する患者の理解度や反應を判斷するための feedback を求めなかった
2 治療者は患者からの若干の feedback を引き出したものの、session における治療者の議論の筋道を患者が理解してゐることを確認する、または患者が session に滿足してゐるかを確かめるのに充分な質問を行はなかった
4 治療者は session 中始終、患者が治療者の議論の筋道を理解してゐることを確認し、患者の session に對する反應を判斷するのに充分な質問を行った。治療者は feedback に基づき、必要に應じて自分の行動を修正した
6 治療者は session 中始終、言語的および非言語的 feedback を引き出すことにきはめて長けてゐた (例 : session に對する反應を聞き出した、定期的に患者の理解度を check した、session の終はりに主要點をまとめる手助けをした)
理解力
0 治療者は、患者がはっきりと口に出して言ったことを理解できないことが度々あり、そのため常に要點をはずしてゐた。患者に共感する skill が不充分である
2 治療者は、たいてい患者がはっきりと口に出して言ったことを繰り返したり言ひ換へたりすることができたが、より微妙な意思表示には對應できないことが度々あった。聽く能力や共感する能力が限定的である
4 治療者は、患者がはっきりと口に出して言ったことや、より微妙なとらへにくい表現に反映された患者の「內的現實」を槪ねとらへてゐたと考へられる。聽く能力や共感する能力が充分にある
6 治療者は、患者の「內的現實」を完全に理解することができてゐたと考へられ、またこの知識を適切な言語的および非言語的反應によって患者へ傳達することに長けてゐた (例 : 治療者の返答の調子は、患者の「message」に對する同情的理解を傳へるものであった)。聽く能力や共感する能力がきはめて優れてゐる
對人能力
0 治療者は對人 skill に乏しく、反友好的、侮蔑的など患者にとって有害な態度がみられた
2 治療者は有害ではないが、對人能力に重大な問題があった。ときに、治療者は不必要に性急、冷淡、不誠實にみえることがあり、または信賴感や competency (認證) を充分に示すことができてゐなかった
4 治療者は充分な level の思ひやり、氣遣ひ、信賴感、誠實さおよび professionalism を示した。對人能力に特に問題はない
6 治療者は、この特定の患者に對するこの session に最適な level の思ひやり、氣遣ひ、信賴感、誠實さおよび professionalism を示した
協同作業
0 治療者は患者と關係を築く努力を行はなかった
2 治療者は患者との協同作業を試みたが、患者が重要と考へてゐる問題の特定や信賴關係の構築が充分にできてゐなかった
4 治療者は、患者と協同作業を行なひ、患者・治療者の雙方が重要と考へてゐる問題に焦點を當て、信賴關係を築くことができた
6 素晴らしい協同作業ができたと考へられる : 治療者は、治療者と患者がひとつの team として機能できるやう、session 中患者が積極的な役割を擔ふことをできるだけ促した (例 : 選擇肢の提示)
pace 調整及び時閒の有效活用
0 治療者は治療時閒の構成・調整を全く試みなかった。session は目的のない漠然としたものに感じられた
2 session にある程度の方向性はあったが、session の構成や時閒配分に重大な問題があった (例 : 構成が不充分、時閒配分に柔軟性がない、pace が遲すぎる、または速すぎる)
4 治療者はそれなりに時閒を有效に使用することができた。治療者は話の流れや速さに對して適切な統制力を維持してゐた
6 治療者は、核心から外れた非生產的な話をうまく制限し、session の進行を患者に適した速さに調整することによって、時閒を有效に使用した
導かれた發見
0 治療者は主に議論や說得、または「講義」を行ってゐた。治療者は患者を尋問してゐる、患者を防衞的にする、または自分の視點を患者に押し付けようとしてゐるやうに見受けられた
2 治療者は誘導による發見ではなく說得や議論に賴りすぎてゐた。しかし、治療者の姿勢は充分に支援的であり、患者は攻撃されたと感じたり防衞的になる必要性を感じたりはしなかったと考へられる
6 治療者は session 中、導かれた發見の手法を用ゐて問題を追求し、患者が自分自身で結論を出す手助けをすることにきはめて長けてゐた。巧みな質問とそのほかの介入法との balance が非常によくとれてゐた
中心となる認知または行動に焦點をあてる
0 治療者は、具體的な思考、思ひ込み、image、意味、または行動を聞き出す努力を行はなかった
2 治療者は認知または行動を聞き出すために適切な技法を用ゐた。しかし、焦點を見つけることに支障があった。あるいは患者の主要問題とは關聯のない見當違ひの認知や行動に焦點を當てた
4 治療者は、標的となる問題に關聯した具體的な認知または行動に焦點を當てた。しかし、より前進につながる可能性の高い中心的な認知や行動に焦點を當てることも可能だった
6 治療者は、問題領域に最も關聯が深く、前進につながる可能性がきはめて高い、重要な思考、思ひ込み、行動などへ巧みに焦點を當ててゐた
變化へ向けた方略の選擇
(※この項目については、方略がいかに效果的に實施されたか、または變化が實現できたか否かではなく、治療者の變化に向けた方略の質に焦點を當てて評價すること)
2 治療者は認知行動療法 (CBT)を選擇したが、變化を成し遂げるための全體的な戰略は漠然としてゐた、または患者を手助けする方法としてあまり見込みがなささうであった 4 治療者には、全體的な變化に向けた首尾一貫した方略があると見受けられ、その方略にはある程度の見込みがあり、認知行動療法的技法が取り入れられてゐた
6 治療者は、變化に向けて非常に見込みがあると考へられる首尾一貫した方略にしたがって治療を進行し、最も適した認知行動療法 (CBT)を取り入れてゐた 認知行動技法の實施
(※この項目については、標的となる問題に對して技法がいかに適切か、または變化が實現できたか否かではなく、技法の實施する技術に焦點を當てて評價すること)
0 治療者は認知行動的技法をひとつも使用しなかった
2 治療者は認知行動的技法を使用したが、その適用方法に重大な不備があった
4 治療者は、認知行動的技法をある程度の skill をもって使用した
6 治療者は、巧みかつ機知に富んだやり方で認知行動的技法を使用した
homework
2 治療者には homework の組み入れに重大な問題があった (例 : 前囘の homework の見直しを行はなかった、homework について詳細を充分に說明しなかった、不適切な homework を課した)
4 治療者は前囘の homework を見直し、基本的に session で取り扱つた事項に關聯した「標準的な」認知療法の homework を出した。また homework について充分な詳細を說明した
6 治療者は前囘の homework を見直し、次の一週閒用に認知療法を用ゐた homework を愼重に課した。その課題は、患者が新しい觀點を受け入れ、假說を檢證し、session 中に話し合った新しい行動を試すことなどの手助けとなるやう、患者に合はせて設定したものと考へられる
session 中に特別な問題が何か起こったか? (例 : homework の不履行、治療關係の問題、治療を續けることへの絕望感、症狀の再發)
はい
0 治療者はその問題を適切に扱ふことをしなかった
2 治療者はその問題を扱ひはしたが、その扱ひが認知療法の戰略や槪念化と一致してゐなかった
4 治療者はその問題を認知療法の枠組みで扱ひ、認知療法の技法をそこそこ用ゐて、問題解決を圖った
6 治療者はその問題を認知療法の枠組みで扱ひ、認知療法の技法を上手に用ゐて、問題解決を實施した
いいえ
session 全體を見渡して、認知療法家としてこの治療者をどのやうに評價するか?
0 劣惡、1 不充分、2 竝み、3 妥當、4 よい、5 非常によい、6 素晴らしい
therapist は session において、本尺度で評價するやうな標準的な approach から明らかに外れた、認知療法とは別の approach をなにか用ゐてゐたか?
はい (詳しく述べよ)
いいえ
認知療法の效果硏究を行ふ際、この治療者を硏究 group に加えたいか? (この session がこの治療者の典型的 session だと想定して)
0 全くさう思ふ、1 あまりさう思はない、2 わからない (境界線上)、3 さう思ふ、4 強くさう思ふ
本 session の患者にとって、認知療法はどれほど難しいか?
0 全く難しくない非常によく認知療法を理解できる、3 中程度に難しい、6 非常に難しい
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0 劣惡、1 不充分、2 竝み、3 妥當、4 よい、5 非常によい、6 素晴らしい