感覚刺激に対する誤差信号(神経応答)は、期待に反比例してスケールする
生物学的な証拠はあるのか?
よく使われる検証方法は以下の3つ:
予期可能な感覚入力が省略されたときの活発な神経応答
何度も同じ刺激をしたときの神経応答の抑制
手掛かり等によって感覚刺激が予測可能であった時の神経応答の抑制
感覚刺激が与えられていないのに、神経細胞に強い応答が見られる
つまり、注目している細胞はエラーユニットで、予測に相当する入力は受けているが、感覚入力がないためエラーが生じている
解釈2:この応答は刺激がないという予測を表している
注目している細胞は予測ユニットで、ある条件のもとの予測を表しているのではないか?という解釈
Naa_tsure.icon予測不可能な省略の仕方をしているのだから、予測というより単に刺激がないということの表象なのでは?
Naa_tsure.icon”入力と予測の間に差がある”ということだけ表していて、その差がどの程度かは表す機能がないのかもしれない
何度も同じ刺激をしたときの神経応答の抑制
このRSが予測に由来することを示す実験が必要
予測可能な繰り返し刺激と予測不能な繰り返し刺激を用意し、前者の時に応答が抑制されることが示れば良い
予測不能な繰り返し刺激に対しては応答が強くなることも知られている
手掛かり等によって感覚刺激が予測可能であった時の神経応答の抑制
手掛かりの他に予測可能な系列刺激などを用いる場合もある
この抑制が起こるのは、その神経が応答する特徴に限定的である
予測ユニットの活動:段々と顕著になるはず
手掛かりからそれに相当する刺激の予測が形成されていくため。
エラーユニットの活動:段々と抑制されるはず
手掛かり等により予測が可能になり、感覚入力を打ち消すため。
Naa_tsure.iconしかし、エラーユニットも精度の学習から段々とそのユニット重要視されていき、応答が徐々に顕著になっていく可能性があることに注意
Naa_tsure.iconところでその精度の学習はどこで起こるのか???
これらの実験結果が上手くまとめられない原因は以下の通り:
1. 実験方法が多様
計測手法
神経集団レベル vs 単一細胞レベル
タスク
事前学習あり vs なし
刺激のベースライン確率の操作 vs 遷移確率の操作
手掛かり刺激あり vs なし
2. 予測誤差に関する意見の不一致
Naa_tsure.icon実験がpopulation levelの神経活動を見ていることには注意したい
仮に予測ユニットと誤差ユニットが存在しているとすると、これらの実験操作はこれらのユニットに反対の影響を及ぼす可能性が高い。
その場合、神経細胞集団の平均活動で分かることはかなり限定される
Naa_tsure.icon細胞体が処理単位でなく樹状突起が処理単位だとしたら、これは細胞体イメージングであっても同様の議論ができる