授業のメモというか備忘録というか復習
Naa_tsure.icon"自然な"は"定量化"ではなく"動物行動"にかかる
今回扱ったのは以下の論文
鳥類の海馬における空間の表現について調べた論文
ヒドラにおける神経活動と行動の関係を調べた論文
Naa_tsure.icon自分で普段読む論文はどうしても偏ってしまうのでありがたいね
系統の異なる動物が同じような神経表現をしている場合を考えてみる
これは収斂進化なのか、共通祖先から引き継いだ性質なのか
神経科学者(特に生物学出身でない)が無視しがちな問題だが重要
例えば、ある性質が鳥類と哺乳類の共通祖先から引き継いだものとする
この場合、爬虫類も同様の特性を持つ可能性が高い
その特性を調べるにあたって、複数種で調べることが可能であれば研究が進めやすい
動物によってprosとconsがある
神経細胞が少ない動物であれば最小限の実装がわかるかもしれない
一方で、それで備わる機能は単純すぎるという問題が生じる可能性もある
神経細胞が多い動物であれば複雑な特性について調べることが出来る
一方で、複雑すぎて知見が全然集まらない可能性がある
それゆえ、収斂進化か否かの判断は研究において見逃されがちだが非常に重要
どうやって判断するのか
神経活動パターンの類似性をシンプルな問題(例えば共通の遺伝子)に落とし込むことは難しい
ひとつのやり方が、一本目の論文のような海馬における表現軸?の類似性といったものに注目する方法
例えば、Fig-2eやFig-4iみたいなもの
もうひとつは色んな種で同じ特性を持つことを示すこと
その実験条件で起こる行動は本当に自然か?
行動と神経活動の対応を見るとき、計測のために動物の行動に制約を与えることになる
この制約は実験によってその程度が異なる
2本目の論文では、ヒドラをガラスで押さえつけた状態で行動を見ている
この研究ではマウスの頭部を固定して、トレッドミルの上を歩かせている
1本目の論文は、一応自由に動き回れるが3次元方向に移動できない箱の中で計測が行われている
知りたいことは自然界における動物の行動と神経活動の関係ではないのか
その実験条件下で見られる行動が全く自然でない場合、神経活動との対応を取る意味はあるのか
行き過ぎた要素還元主義は時に全く異なる結論に行き着きかねない
自然現象は必ずしも人間に解釈しやすいものとは限らない
動物の特定の行動に名前を付けて、神経活動との関連を見るのはかなり鉄板な研究手法
しかし、そのラベル付けした行動の定義は、人間(特に実験者)にとって都合が良い主観的なモノになってないか
その点、2本目の論文における行動の定義はひどく曖昧でかつ、研究対象に選んだ行動も主観的に思える
では、主観性を完全に排除すればこの問題は解決するのか?
例えば、ヒドラの行動を全点フルトラッキングして、全細胞の神経活動を同時計測
そして機械学習でこれらを結びつける関数を見つけたら有用な研究をしたことになるのか
そんなことはないはず
ある程度、人間が解釈できる形でないと実質何も言っていないことと同じになる
適切な行動の定量化が必要となる
って何?
って話をこれからやるよ
ってことらしいNaa_tsure.icon
その他
何でもかんでも行動を神経に還元しようとするのも良くないんでは?という質問をしてみた
やはり環境と身体の相互作用は大事で、こんな論文を紹介してくれた
BEAL, D., HOVER, F., TRIANTAFYLLOU, M., LIAO, J., & LAUDER, G. (2006). Passive propulsion in vortex wakes. Journal of Fluid Mechanics, 549, 385-402.