ミラーテスト
ミラーテスト、マークテストまたは鏡像自己認知テスト(mirror self-recognition test:MSR)とは、1970年に心理学者のゴードン・ギャラップJr.(Gordon Gallup Jr.)が開発した動物の行動研究であり、人間以外の動物が視覚的な自己認知(self-recognition)の能力を持っているかどうかを確かめるための手段として用いられている。ミラーテストは、自己認識(self-awareness)の有無を確かめる手法としては長い歴史を持っているが、その妥当性については意見が分かれている。
古典的なミラーテストでは、研究の対象となる動物に麻酔をかけ、通常自分では見る事のできない体の部位に、塗料やステッカーなどのマークを付ける。その後、動物が意識を回復すると、鏡を見られる環境に移される。もしその動物がマークに触れたり、調べるなどすれば、その動物は鏡に映った像を、自分以外の動物ではなく、自分自身であると受け取った証拠であると見なされる。
ミラーテストで成功した動物は極一部の種に限られている。2016年の時点で、人間(ヒト)を含めた大型類人猿、アジアゾウ、イルカ、シャチ(orca)、カササギがミラーテストで成功している。複数種のサル、ジャイアントパンダ、アシカ、イヌなど、様々な種の動物が、ミラーテストで失敗した事が報告されている。
2019年2月には大阪市立大学が、魚類のホンソメワケベラで成功したと発表した(ドイツのマックスプランク研究所などとの共同成果。