メンターはどうやって見つけたらいいのでしょう? - 内田樹の研究室
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ちょうど悩んでいたら、内田先生が面白いことを書いていた
学ぶ側も「オープンマインデッド」でなければならない。「自分で立てた厳しい条件を満たす人以外からは何も学ばないと決意した人」と「出会うあらゆる人から、それぞれの知見を学ぶことができる人」とではどちらが知的に成熟するチャンスが多いか、考えるまでもないでしょう。
特定の人からしか学ばない、という態度は逆に可能性を狭める
もしかすると、「人にものを訊く」ことを「借りを作る」ということのように思っているのでしょうか。そうかも知れませんね。「コンサルタント」とか「アドバイザー」とか、質問に答えることでお金を取ることを商売にしている人がいまはたくさんいますから。うっかり質問すると、その人に対して「お金」ではないにしても、「敬意」とか「遠慮」とかいう「借り」ができる。それは面倒だから、訊かないでおこう・・・というふうに考えても不思議はありません。
でも、それは違いますよ。「答えを与えること」を商売にしている人たちは、相手が誰でも問いが同じなら、同じ答えを与えます。でも、メンターは違います。同じ問いでも、相手によって答えを変える。
その刹那に、その相手に対して、その場でしか生じることのない「唯一無二の答え」をする。
他人にアドバイスをお願いすることの最大の価値は、その時にしか出てこない、自分の状況にカスタマイズされた答えである。一般的な答えを求めたいのなら、本を読むなりすれば良い