音楽、数学、タイポグラフィ
タイポグラフィでは、文字や単語は機械的な手法で生み出されます。……(サイズや位置などの)情報は他の人に渡すことができ、別の機会にまったく同じものを再現することもできます。フレット・スメイヤーズ『カウンターパンチ※1』
ここに示したのはウェブサイトやモバイルアプリケーションなどの表示スタイルを記述する言語であるCSS(カスケーディング・スタイル・シート)のコードです。これによって書体や文字サイズ、行間、そして文字サイズを基準にしたスペーシングなどが定義されます。このコードをもとにして、ウェブブラウザなどユーザーエージェントという機械が文字を整形して表示する。これは表示する環境が変わっても再現可能です。タイポグラフィの定義を見れば、こういったCSSのコード片も、タイポグラフィであることがわかります。
「リズムを意識しましょう」とか「ハーモニーが大切です」とかいった抽象論や精神論ではなく、 数学に基づいた音楽理論をもとにタイポグラフィを解説している例が多々あるのです。 モデュロールは、人間の身長とヘソの位置、そして手を上げた高さなどが黄金比になっているとして、これらをフィボナッチ数で分割して作った寸法体系です。ル・コルビュジエはこのモデュロールをもとに、建物だとか家具だとかを作りました。このモデュロールにおける黄金比のように、なんらかの調和する比率をもとにスケールを作り、そのスケールをタイポグラフィのガイドラインとしよう、というのがモジュラースケールの考え方です。 https://gyazo.com/63d6cf286e24e496c3a208f22b13698a https://gyazo.com/0324b6de555e2376fcdefe231f5bc9b4