ナンバー2
プレステ初期の躍進を支えた音楽業界の経験
三宅:丸山さんはソニー・ミュージックとソニー・コンピュータエンターテインメントの両方にいらっしゃいましたね。その両方の視点を持つ人がいたことは、プレイステーションにとって大きな意義があったのだと思いました。 丸山:俺は両方の会社にいて、しかも一時期、「THE・副」って言われてたのよ。トップじゃなくて、必ずナンバー2だから。
三宅:裏で操っていたわけですか(笑)。
丸山:会社って基本的に「副」が経営しているわけですよ。俺がソニー・ミュージックの社長になったら、権限が何もないことに気がついた。だって基本的には取締役会が権限を持っているから、社長決裁なんて何もない。 三宅:何もないんですか!?
丸山:まあ一般的には「社長がやれと言っているから」ということで、取締役会でそれが通るんだけどね。でも外部取締役が増えると、「なんでこれをするんですか」なんて、見当外れの質問が来てややこしいじゃない。
三宅:わかる気がします(笑)。
丸山:面倒くさいけど、それをちゃんと説得するのも大事なことだし、理由をちゃんと言語化して、みんなと情報共有するトレーニングをしておいたほうがいいのも事実。だけど、「うまくいくんでしょうかね」と聞かれても、うまくいくかどうかわからないからやる、という場合もあるわけじゃない。
三宅:確かに。現実にはそういう案件のほうが多いのだと思います。
丸山:外部の人からしてみると、「うまくいかないかもしれない」なんて言われたら、「それじゃもう一回検討して」ってなるよね。
三宅:そんなときは、どうしたらいいんですか。丸山さんは、「うまくいくんです」と言い張るんですか。
丸山:そこでナンバー2の出番なのよ。ナンバー1がいろいろ言うよりも、ナンバー2が「うまくいくんじゃないですか」って言えばいいんだよ。ナンバー2が実力者だと目されるような人間であれば、細かいこと言わないで、「やってみなきゃわからないじゃないですか」と乱暴なことをガンガン言っちゃったほうが、社外取締役やなんかがおとなしくなるんだよね。
俺はナンバー2が長かったから、ナンバー2がいちばん面白かったし、実際、会社を動かすのはナンバー2だと思うよ。
https://gyazo.com/b3ccdb359356037e6e5db032daadfc9d
https://gyazo.com/e51e772c8feacc21a65dc3322900518b
強い組織は「No.2」がすごい。実はリーダーより重要、イケてるマネジャー5つの特性