ダークウェブ
”ダークウェブに捜査のメス 海外との連携に課題”
ダークウェブ上のサイトは違法な取引や犯罪の情報交換に使われ、利用者は発信元を隠す匿名化ソフト「Tor(トーア)」などを使ってアクセスする。ネット上の住所にあたるIPアドレスをたどって接続した人物の身元を特定するのは極めて難しい。 だが打つ手がないわけではない。ある警察関係者は「ダークウェブ上であっても取引が行われればどこかに金の移動が生まれ、捜査は可能になる」と話す。売買された品物の移送や仮想通貨の交換でも足跡は残る。 海外ではダークウェブ上のサイトを閉鎖に追い込む動きも相次ぐ。
トレンドマイクロによると、米連邦捜査局(FBI)や欧州刑事警察機構(ユーロポール)などは19年に少なくとも4つの大規模な違法サイトを摘発した。ドイツの捜査当局は複数の違法サイトを管理する大規模な拠点を突き止めてサーバー約200台を押収し、運営者を摘発した。 警察庁在職時に国際刑事警察機構(ICPO)でサイバー犯罪対策のトップを務めた中谷昇・ヤフー執行役員は「各国の捜査機関はダークウェブの利用者だけでなく、運営者やサーバーの管理拠点などを摘発して『根っこを絶つ』ことに注力し始めている」と話す。