『第三次世界大戦はもう始まっている』
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ウクライナ問題は、元来は、ソ連崩壊後の国境の修正という「ローカルな問題」でした。一九九一年当時、ロシアがソ連解体を平和裏に受け入れたことに世界は驚いたわけですが、ロシアからすれば、一九九〇年代前半に行なうべきだった国境の修正をいま試みている、とも言えるでしょう。 しかしこの問題は、初めから「グローバルな問題」としてもありました。 戦争前の各国の思惑
「今回の戦争がなぜ始まったか」を理解するには、まず戦争前の各国の思惑を理解する必要があります。 アメリカの目的は、ウクライナをNATOの事実上の加盟国とし、ロシアをアメリカには対抗できない従属的な地位に追いやることでした。 それに対してロシアの目的は、アメリカの目論見を阻止し、アメリカに対抗しうる大国としての地位を維持することでした。 ロシアは、人口規模は日本と同程度ですが、アメリカに対抗しうる勢力であり続けようとしたわけです。だからこそ、アメリカによるウクライナの「武装化」がこれ以上進むことを恐れ、ロシアは侵攻を決断したのです。 今の状況は、「強いロシアが弱いウクライナを攻撃している」と見ることができますが、地政学的により大きく捉えれば、「弱いロシアが強いアメリカを攻撃している」と見ることもできます。 ロシアの侵攻が始まると、アメリカとイギリスの軍事顧問団は、ポーランドに逃げてしまいました。ウクライナの人々は、大量の武器を手にしつつも、単独でロシアに立ち向かわなければならなくなったのです。 要するに、アメリカとイギリスは、ウクライナ人を〝人間の盾〟にしてロシアと戦っているのです。現在、アメリカとウクライナは、固い絆で結ばれているように見えますが、長期的に見て、今後、この〝裏切り〟に対して、ウクライナ人の反米感情が高まる可能性は否定できません。