『ライティングの哲学 書けない悩みのための執筆論』
千葉雅也, 山内朋樹, 読書猿, 瀬下翔太, 2021, 講談社, 本
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時代の自縄自縛と凡庸さから、書くことを解放する。つくることを解放する
だからここで語られるのは、文章指南や仕事術に見られるような効率化のテクニックではないし、こうすれば書けるといったハウツーでもなければ、世間で吹聴される「たったひとつのこと」でもない。しかしだからこそ、ここでは書くことにまつわる本質的な探求がなされている。ありえない解像度で、書くことにまつわる悩みのニュアンスの多様さに向きあっている。それはときに哲学的で精神分析的な考察にまで達してしまうのだけれど、具体的な悩みのひだに沿って語られているから心配はない。必要なのは知識ではなく、なにかを書きたい、つくりたいという願いである。