『なぜ超一流選手がPKを外すのか サッカーに学ぶ究極のプレッシャー心理学』
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著者:ゲイル・ヨルデット
翻訳:福井久美子
出版社:文藝春秋
発売日:2025/4/24
PKは決めて当たり前。外すと落胆の目を向けられる。
この痛ましい映像を見て、誰もがすぐに気づくことが一つある。PK戦は無慈悲な難物だということだ。1秒とかからずに男たちを臆病者に、スーパースターをスケープゴートに、世界レベルのアスリートを地上でうずくまる姿に変えてしまう。
そもそも考え過ぎが失敗を招くという理論の根底には、選手がパフォーマンスに不安を感じていると、通常なら機械的にこなせるスキルが、スムーズにできなくなるという仮説がある。タスクを成功させるには外部の情報(ボールの位置、GKの位置、シュートしたいゴール内のエリアなど)に優先的に注意を向ける必要があるのに、その注意が内側に向かって、自身の一挙手一投足を意識するようになる。プレッシャーと不安を感じたアスリートたちは、突然、通常なら何も考えずにやる決定や動作を、意識的にコントロールして観察するようになる。いつもはごく自然に力みもなくスムーズにできることが、慎重に制御しながらやる複雑な行為へと変わるのだ。こうしてパフォーマンスは低下する。