ビットコインに投資しない理由
ここではビットコイン(BTC)に限っての話をするが、他の暗号通貨全般に言えることもあるかもしれない。(ステーブルコインなど性質の違う暗号通貨も出てきていて話が複雑になると思ったため)
一般に言われる貨幣の機能は次の3つ。
1. 価値の保存:保持しておける。腐ってなくなっていかない。
成り立っている。
他の伝統的通貨と比べてもボラティリティが高すぎるので、価値の保存がうまくいっていないという見方もできる。
2. 交換価値:物々交換では成り立たないような間接的な交換を成り立たせる。
成り立っている。ビットコインが最も得意な点であろう。
3. 尺度機能:ものやサービスの価格の表示に使われる。
結局取引に対する税を納める先の国の通貨で表示しなければならず、ビットコインによる価値表示は行われていない。
物・サービスの生産活動の総体がその通貨で行われていないと、中間生産物の取引や仲買で為替リスクが生まれ、経済活動が円滑に行われなくなるため、ビットコインで表示されたとしてもある国の通貨から即時的に両替した価格が表示されるに留まることとなる。
外国為替において、実需の取引というのが買い越し・売り越しを引き起こし長期的なトレンドを形成するとされる。例えば「中国から物を買って輸入したので中国に人民元での支払いが必要で、円売り人民元買いを行う」。ビットコインにはこういった実需による取引はない。
#MMT が主張するように、貨幣を人々が欲する理由は、国家がそれを税として徴収し、納税をしないと罰を受けるからである。ビットコインを税として集めている国家はないため、人々はそれを欲しない。 こういった理由から、貨幣としては不完全な状態にあると考える。
「コインである」と呼ぶからには、こういった不完全な点を明らかにしておきたい。
経済商品としてのビットコイン: #株 のようなもの ビットコインが将来的に生む価値というものはなく、 #ファンダメンタルバリュー (将来的に生む利潤の現在価値)というものが0であり、他人の欲しがる取引価格というものがただあるだけである。ウォーレン・バフェット等の長期投資家からみれば、取引価格は常に実体(=0)より高い。 短期的な投機の対象とはなりうるが、専業ではない我々に通常勝ち目はないので、しない。
私はコモディティ投資の仕組みをまだ理解していない。
スタートアップ事業に対する株としてのビットコイン
うまくいくか分からない時点で先見の明があって投資をしたものに高いリターンをもたらしている点でスタートアップと類似している。
BTCそのものへの投資は、経済商品としてのうまみがない中、後からの参入は先行の者を利するばかりである。
他の機能を持つ派生コインや新規コインへの投資は、スタートアップ事業への投資と同様にリスクもあり、かつ事業の確認がしづらいなどスタートアップ投資詐欺の土壌になりやすいと考えているので、避けている。
匿名送金ツールとしてのビットコイン
マネーロンダリングや違法な取引に使用されうる。それに加担したくない。