ドビュッシーが使用する5度が下降した和音
通常コードの5度音は、完全5度(P5) であるが、変化 (オルタード) させることができる。今回は5度音がフラットするパターンを取り上げる。これはDebbusy特有ではなく、一般的に使われる和音である。 クラシックにおいては基本的に、5度がフラットする場合、5度が最低音に配置され、かつDominant 7th chord か、もしくはdominant 7th b9 の形で現れる。つまり単なるトライアド(譜例では第一のもの)の5度がフラットすることはほとんどない。 そのため以下のように進行する。(2つめのコードBbはなくてもいい)
C7/-5 → B♭ → F → B♭
II7/-5 → ? → V → I
Cm7/-5/-9 → B♭m → F → B♭m
II7/-5/-9 → ? → V → I
またこのDominant 7th/b5/b9 タイプのコードはマイナーキーと関連しており、Ⅰmに解決する。
ドビュッシーが使用する5度下降和音は以下のものである。しかも解決を必要としない。安定した和音として使用される。
C7/-5
B♭
E
C
G♭
しかしドビュッシーが使用する方のコードは、どのキーにも所属しない。本質的な変化和音だと考えることができる。つまり、キーが不明確だ。本質的にどのキーにも所属しない和音である。