音楽のすゝめ
ルジャンドルのすゝめ
ルジャンドルの秘密のScrapboxから。
https://open.spotify.com/track/4er18JyOochCWNUcYINaR1
とりあえずクラシックについて纏めます。
クラシック
Mikhail Glinka作、Vyacheslav Gryaznov編「幻想的ワルツ」
ピアノ:Vyacheslav Gryaznov
音源:https://youtu.be/6g3xwhh99-c
コメント:Glinkaの幻想的ワルツはもともとピアノ独奏曲だったが失われてしまって今では管弦楽曲として知られることが多いと思う。この幻想的ワルツは管弦楽曲としての幻想的ワルツをVyacheslav Gryaznovがアレンジしたものとなっていて、Vyacheslav Gryaznovは現代のピアノ奏者であるため、原曲と比べればより現代的な和声や表現、後期ロマン派チックなものになっていると思う。本人もコメントに書いてあるが色々な作曲者のワルツの影響を受けていて、他のワルツ曲 (例えばLisztのMephisto Waltz、RavelのLa ValseやProkofievのCinderella) と聴き比べて聴いてみるのも良いかもしれない。もちろん管弦楽の原曲と聴いても面白い。
以下は原曲。https://youtu.be/bFAodBYrjlc
Sergei Prokofiev作「『シンデレラからの6つの小品』より、シンデレラと王子のワルツ」
ピアノ:Sviatos9lav Richter
音源:楽譜なしhttps://youtu.be/JWAnBpAJwRs楽譜ありhttps://youtu.be/HhDDOHYRrZc
コメント:元々Prokofievのシンデレラに関するバレエがあり、それのピアノ編曲版。シンデレラのワルツといえば、短調の有名なものがあるが、それではないワルツ。0:42の物憂げながらも明るいワルツから始まって、1:26からProkofievらしいリズムを全面に押し出した生き生きとしたフレーズが対比的に流れる。1:40から多少柔らかいメロディが、前の生き生きとした感じを残しつつ、1:55あたりから1:26から始まるフレーズを更に生き生きとして繰り返される。2:13から前のフレーズを繰り返しつつ、そのフレーズを書き換えながら掛け合いが始まる。その掛け合いをバックにして最初の0:42の主題が再現され、より複雑に聞こえる。2:59から新しい少し暗いフレーズが入ったあと1:40あたりのフレーズが再現され、だんだん盛り上がり、3:33あたりで新しいフレーズもいれながら段々と盛り上がり、4:21で0:42あたりの主題が最大限盛り上がって再現される。そして最初の前奏の終わりを再現して、物哀しいような綺麗なような感じのフレーズを流して終了する。このワルツは元々のバレエではシンデレラと王子が舞踏会で初めて邂逅し、一緒に踊るシーンを描いていて、舞曲としての要素も十分にありながら、ライトモティーフを駆使し、心情描写も丁寧に行われていると思う。オーケストラ版も聴け。バレエとあわせて見るともっと得られるものがあると思うんだけど、時間と機会がなくてできていない。
オーケストラ版https://youtu.be/wQoxAkuT-Yw
Camille Saint-Saëns「クラリネットソナタ」
クラリネット:Ulf Rodenhäuser、ピアノ:Leonard Hokanson
音源:https://youtu.be/KHt4PFKiQE0
解説:4つの楽章からなるクラリネットのソナタでクラリネットの特色がとても良く生かされ、クラリネットならではのフレーズが見られる。ソナタというが、ソナタ形式の曲はなく、Wikipedia曰く、形式に於いては古典派以降のソナタより、バロックの組曲に近いらしい。一応2楽章はスケルツォっぽい楽章になっている。
1楽章ではピアノの伴奏の上にクラリネットの伸びやかで美しい旋律が奏でられる。三部形式の曲で、中間部が1:12から始まり、短調になり多少動きが活発になる。2:51から若干調が変わっているが主題が奏でられ、そのまま緩やかに終止する。全般的にクラリネットの美しくなめらかな響きを聴いてほしい。
2楽章は所謂スケルツォにあたる章で、全般的に活発的になる。クラリネットによる跳ねるようなアルペジオを聴いてほしい。5:26や5:48などのフレーズに見られる12度の跳躍はクラリネット特有のもので、実はクラリネットはオーケストラで使われる主要な楽器の中では唯一閉管構造をしていて、閉管構造をしているため、クラリネットの音色は偶数倍音を持たない。よって普通運指を変えずに (金管楽器でいうリップスラーのように) オクターブ音を上げるみたいなことはできず、挙げられるのは3倍音、オクターブの5度上、つまり12度先になる。このフレーズはクラリネットのそういう特色を活かした旋律となっている。
3楽章は同じフレーズを1回クラリネットが奏でるのだが、2回目は1回目の2オクターブ上で響かせられる。クラリネットの音色は音域によって異なり、1回目はシャリュモー音域と呼ばれる音域で、音色は重々しく、そして柔らかい響きを持っている。2回目はクラリオン音域からアルティッシモ音域と呼ばれる音域で奏でられ、クラリオン音域のとことは開放的で、美しく伸びやかな響きを持っていて、アルティッシモ音域は細く鋭い響きを持っている。1回目はフォルテで重々しい悲しみを旋律として奏でるが、2回目はピアニッシモでより物哀しいような寂しいような響きを奏でて、特に10:53からのクレッシェンドで、また音高も上がり、音域はアルティッシモ音域に入り、音色は美しくも痛ましいといった感じになる。その後にゆっくりデクレッシェンドし、ピアノのアルペジオを経て、アタッカでそのまま次の楽章に入る。クラリネットの異なる音色に注目して聴いてみてほしい。
4楽章は一番活発的な曲で、序盤のクラリネットの連符はとても元気が良くまた生き生きと奏でられる。13:17からは1楽章の主題がリズムを変えて劇的に再現される14:29の連符ではこの曲で一番高いHi Hi Aまで上り詰め最初の連符が再現された後、転調をし、15:25から一楽章の主題が完全な形で再現され曲を終える。注目してほしいところは一番活発な章で、また一番技巧的な章でもあり、クラリネットによる連符やトリル、半音階によるパッセージ、強弱やアクセントなどを楽譜とあわせて聴いてみてほしい。
Alexander Scriabin「焔に向かって」
ピアノ:Vladimir Horowitz、及びVladimir Sofronitsky
音源 (Horowitz):https://youtu.be/WlqGkVc29Gw音源 (Sofronitsky):https://youtu.be/Xka1fq_42fo
解説:Scriabinの晩年の曲。基本的に半音階で下がるフレーズを繰り返すことが骨格になっているソナタ形式の曲で、段々とクレッシェンドをかけて盛り上がっていく。全編を通じてScriabin特有の神秘和音とその変種である「光の理念を具現化する燦然と輝く和声」が用いられている。とても難解な曲で、解説をするのが難しいが、是非聴いてほしい曲のうちの一つ。演奏はHorowitzとSofronitskyのものを紹介しておく。Horowitzのものは所謂名演と言われるもので、とても人気がある。一方SofronitskyのものはScriabinの意思に忠実な演奏がなされている。
Béla Bartók「ソナチネ」
Zoltan Kocsis
音源:https://youtu.be/k46f7qqe5qc
小さい三部形式の楽章3つからなるソナチネ。どの曲もルーマニアの民謡に基づくフレーズを用いていて、とてもBartókらしいものとなっている。全体的に演奏効果が高い曲だと思っている。Zoltan Kocsisの演奏は抑揚が効いていて好きです。
バグパイプ吹きたち:完全5度の音と、フレーズでバグパイプの音を再現している曲。一部には協会旋法が用いられている。
熊の踊り:9小節目の二回目の主題の再現で半音で衝突している響きが好きです。
終曲:若干不安になりそうな和声の上に可愛らしいフレーズがなっていったり、トリルの上で同じ旋律が反復されたりしていて、codaのソロでフレーズが可愛らしく奏でられたあと、不安になりそうな和声でもう一度繰り返される。
指揮:Iván Fischer、演奏:Budapest Festival Orchestra
オーケストラ版:https://youtu.be/4p25Dmww3V4
Paul Hindemith「オーボエとピアノのためのソナタ」
オーボエ:Ingo Goritzki、ピアノ:Kalle Randalu
https://youtu.be/yPY7i5zDdH8
解説:Hindemithのオーボエの二楽章からなるソナタ。Hindemithはオーボエのみならず、様々な楽器に対してソナタを書いていることで有名。Hindemithは拡大された調性という手法を用いていて、古典的とはほど遠い和声をしているが、無調ではない独特な感じがある。この曲もオーボエが縦横無尽に駆け回るところにHindemithらしさがあると思っている。オーボエとピアノの掛け合いや独特のリズムなどが特徴的なので良く聴いてほしい。
Maurice Ravel「管弦楽のための舞踏詩『ラ・ヴァルス』」
指揮:Myung-Whun Chung、オーケストラ:Philharmonique de Radio France
音源:https://youtu.be/TMSgWhIENSk
Des nuées tourbillonnantes laissent entrevoir, par éclaircies, des couples de valseurs. Elles se dissipent peu à peu : on distingue A une immense salle peuplée d'une foule tournoyante. La scène s'éclaire progressivement. La lumière des lustres éclate au ff B. Une Cour impériale, vers 1855.
解説:この曲のタイトルの「ラ・ヴァルス」はフランス語でたんにワルツという意味であり、Strassなどのウィンナ・ワルツを模して構成されている。一言で言えばこの曲はワルツの形式を以て描かれたワルツの絵画である。伝統的な前奏付きワルツの形式で曲は書かれていて、しかし伝統的なワルツではありえないようなリズムの強調や表現などでウィンナ・ワルツの歴史や、風景などを表している。引用したスコアに記されている通り、曲の最初は雲の切れ間からワルツを踊っている人たちが見えていることを表現している。このようにこの曲は伝統的なウィンナ・ワルツの形式をしながら、極めて印象主義的な曲と言えると思う。
Paul Hindemith「ルードゥス・トナリス」
ピアノ:Sviatoslav Richter
音源:https://youtube.com/playlist?list=PL088B3BC1350BDC72
個人的に近現代のフーガ集の中で最高傑作とよって良いもの。12の調 (長調と短調の区別はない) に一つずつのフーガと、フーガの間の間奏曲11曲と前奏曲と後奏曲の系25曲なるフーガ集。この曲集の本当に凄いところは曲全体の構成にあると思う。例えばフーガの調の順番はC-G-F-A-E-Es-As-D-B-Des-H-Fisの順番になっており、これはCから順に不協和音になるような音程の順番である。そして、間奏曲は間の2つの調をなめらかに接続する。また曲全体に対称性があることも重要であるように思える。例えば後奏曲は前奏曲の完全な逆行反行形になっている。他にも曲全体に工夫がたくさん見られる。詳細は例えば以下の文献を参照してほしい。
SYMMETRY AND DISSYMMETRY IN PAUL HINDEMITH'S LUDUS TONALIS
Stravinsky「クラリネットのための3つの小品」
クラリネット:Alain Damiens
音源:https://youtu.be/nXUhWj52TCw
Stravinskyのクラリネット独奏曲。どの曲もクラリネットの異なる良さが表れているように思える。1曲目はクラリネットの低音域の落ち着いた曲。2曲目はどちらかというと、即興演奏に近い雰囲気を持つ曲で、独特のクラリネットの良さが見られる。3曲目は一番リズム感がある曲で楽しげなクラリネットの音色が聴けると思います。多分演奏しても面白いんだろうけど難しすぎる……。
吹奏楽
ジャズ
Chick Corea「アルマンドのルンバ」
クラリネット:Martin Fröst
音源:https://youtu.be/tn13tcDvS28
解説:Chick Coreaの「アルマンドのルンバ」のクラリネットアンサンブル+コントラバス+パーカッションによるアレンジ。Buffet Cramponというクラリネット製造会社の宣伝としての演奏だがとてつもなくうまい。0:23からのボイスパーカッション+クラリネットによるソロはとても怪しげで魅力的。0:40からのクラリネットとコントラバスのユニゾンで主題が提示されて0:58からだんだんとクラリネットの動きが激しくなっていく。1:11と1:12の和音かっこよくない??いいよね。1:40あたりも明るくクラリネットの高音が鳴ってとてもかっこよいと思う。1:46からクラリネットの特殊奏法であるポルタメントが見られる。ラプソディー・イン・ブルーの冒頭とかで有名なやつ。とても効果的な使い方だけど、これ実際やってみるととても難しいので凄い。2:00あたりからポルタメントでクラリネットが高音を出しながら、バックグラウンドのクラリネットが和音を鳴らしているんだが、地味にコントラバスがかっこいい動きしてるのやばい。2:11~2:12あたりのバックグラウンドのクラリネットがハモらせながら上昇する連符をやっているのも地味に凄い。2:25あたりからまたクラリネットソロが入る。2:39周りのクラリネット、めっちゃ高音が綺麗なので聴いてほしい。最後の終わりの部分も他のクラリネットとあわせてかっこよく終わってていいですね。これくらい吹けるようになりたい人生だった……。
一応、原曲です。結構上の演奏はアレンジがかかっているので参考程度に。https://youtu.be/Diregu6eFzk
どういう曲がいいのか・・・
年代や地域による分類、書法、構成(ソナタ形式とか)など分類がありますが私は以下の通りに書いていきます。
私がそう思った分類。
当然録音にはこだわりがあるもの。演奏者も私が一番だと思うものをなるべく選ぶ。
(Youtubeで探すの無理。権利関連で駄目なのある。クラシック音楽聴くならSpotifyです。CD買わなくて良いですから。)
名曲(とりあえず愚直な分類)
ショパン。「ピアノソナタ第3番」
ピアノ:Fialkowska。Kiisin。
Fiakowska:Spotify https://open.spotify.com/track/25kbpqgG3GIqcSalG6UlLc?si=0fcbd6d23bbd491f
https://youtu.be/xGJxmCOPFVM
ショパンの中で個人的には屈指の名曲
1楽章がすごい。ショパンは転調の天才とかいろいろ言われますがまさに調性(あんまりしっかりしていない)が目まぐるしく変わる。臨時記号の嵐。
ピアノの魅力ここにありって感じです。絶対にもっときっちり勉強してからのほうがいろいろ発見があるし、解説しがいがあるのですがとりあえず、ただ楽譜を見て感じたことを書いていきます。
ショパンの後期の作品だけあってバッハの影響が見られます。この時期のノクターンも美しい対旋律が多く見られます。声部の棲み分けに意識してます。
1:35からまさに初期のショパンみたいな譜面。有名なピアノソナタ第2番の3楽章の中間部を思い起こされる。しかし力強い。幻想即興曲の中間部もこんな形式でしたね。
3:27 : 美しい。
4:25 : ざわめき。不安。4:32主題回帰。16部音符の調性のはっきりしない波のようなうねりが付随する。
https://scrapbox.io/files/615b2c0cb4b782001dff5f51.PNG
一番のポイント。とても熱い展開!もうどうなってるの?
1楽章だけでお腹いっぱいです。
21:36から4楽章。たぶんかなり人気な曲です。
演奏について
前半と後半でピアニストの違いが聴けます。同曲が2人のピアニストの演奏で対比されています。
キーシンはピアニストとしてかなり有名ですので聴いたことがあるかもしれません。対してFialkowskaさんはあんまり知らないのですが録音の違いで彼女の聡明な演奏がうかがえます。とても好きな演奏です。
え!?めっちゃいい演奏なんですけど!?ショパンの演奏センス抜群では?
ショパンの「舟歌」
冒頭のベダルワークで!?ってなる。残響の煌めき。
参考資料:ここで行っているバルカロールが舟歌のこと。(オリヴィエ・アラン著「和声の歴史」より。)
https://scrapbox.io/files/615b32684c840d001fe8f96b.jpg]
パッヘルベル作曲「カノンとジーグ」からカノン(あんまりこういう書き方はしないジーグとセットで聴かないから・・・).
https://youtu.be/jJRdLZyOU4w
説明不要.Wikipediaの記事をご一読下さい.カノンはカエルの歌!先行する旋律を厳密に模倣します.それが厳密じゃなくなったらフーガだと思って下さい.ほぼあってますので.カノンじゃないカノンを見つけたら「これカノンじゃなくね?」とツッコんで下さい.(でもパッヘルベルのカノンの意味でカノンなのでカノンかもしれない???).
あとはチェロはずっと同じ音形を繰り返しています.バロック期によく作曲された様式です.クラシック音楽が昔になるほど型があってそれにきっちりはまってますので!(縛りプレイしないと自由度が高すぎて作曲できんかったのかも.楽器自体もまだ成熟してなかった(使える調性に縛りがあった))
この音形の上でてきとーに弾いても割と曲になります.カノンコードってやつですね.
ジーグは気になる人は聴いてみて!(パッヘルベルは他にもいい曲作ってます・・・教会のオルガニストならかなりお世話になっていると思います.)
演奏について.第一バイオリンが即興的な装飾を入れてますね.美しいと思います.
映像について.とても良いレンズを使っていますね.美しいと思います.
録音について.良い録音だと思います.
名演?怪演?
スクリャービン:「12のエチュード」 Op.8-2
ピアノ:ウラディミール・ホロヴィッツ
ほか.ムソルグスキー「展覧会の絵」.ラフマニノフ「ピアノコンチェルト3番」(メータ指揮)
ラフマニノフ:「ピアノコンチェルト第3番」
ピアノ:アレクシス・ワイセンベルク
https://youtu.be/aSXtXLAVgkE
夜に一人でゆっくり聴きたい音楽
J.S.バッハ:「平均律クラヴィーア曲集」。
ピアノ:エフゲニー・コロリオフ。
音源:https://open.spotify.com/album/6vfVdTQCPICnrhtEmOqCmy?si=ktUKNzTQS3ODrZHVzizv2Q&dl_branch=1
コメント:音楽の基礎。ここまで完璧に演奏されればねぇ。夜もふける。
ピアノ:ヴァレリー・アファナシエフ。
音源:https://open.spotify.com/album/1FJPzxFRpGaoNO2YDGrKby?si=jOwhXWcdRkqVYVziG_lSFA&dl_branch=1
コメント:天才タイプの演奏。24番フーガはすごいよ。
ショスタコーヴィチ:「24の前奏曲とフーガ」から24番の前奏曲とフーガ.
ピアノ:ショスタコーヴィチ本人
https://youtu.be/QOyrj8TnH1s
ショスタコーヴィチについてはWikipediaとかで読んでみてください.この曲は名前から分かる通り上で紹介したバッハの作品から取ったものです.曲の順番としてはバッハが半音階で調が変わるのに対してこの作品は5度圏をぐるっと回るかたちになります(属調方向へ回る).なので最後のこの曲はハ長調の下属調(ヘ長調)の平行調,つまり2度下の短調,ニ短調になります.
ガツンと心に来るやつです(はじめて聴いた時は衝撃的でしたので).
重い前奏曲.弾く分には易しいので弾いてみると楽しいです.フーガは当然難易度は高いですが.
4:16 からフーガに入ります.途中ここで主題が展開される中,とうとつにソプラノ音域に美しい旋律が挿入されます.最初なんだコレ!?ってなります.楽譜を見るとここだけ浮いています.ずっと絶望感がある中でここだけ希望なんですよね.
8:12 から第2主題.同音連打を含む彼らしい旋律.
10:10 クライマックス直後に第1主題が第2主題に混ざる形で2重フーガを構成します.2重フーガなんて滅多に聴けません!
最後にふさわしい曲.
他の演奏
Tatiana Nikolayeva:https://open.spotify.com/album/3ygqOhWn1usLniPL6Kiiu6?si=iRwqlIocSM66oPNsgUsPFg&dl_branch=1
おそらく最も有名な録音.彼女は3回の録音を残しています(たしか).
あとはシチェルバコフの演奏をCDで持っているのですが,この音源はSpotifyでは見つかりませんでした.(よくよく探せばあるかもですが)
オススメです.
楽譜を見ながら聴きたい音楽
J.S.バッハ「14のカノン」
https://youtu.be/6h6AabkLvEE
バッハのゴルトベルク変奏曲の低音の動きを覚えておいて見てください。
J.S.バッハ「平均律クラヴィーア曲集第1巻8番フーガ」
TODO:楽譜付き解説
バッハ:「音楽の捧げもの」から「6声のリチェルカーレ」。
演奏:初音ミク。
6声のフーガです。
主題は「はつねみく」と歌っていただけますのでわかりやすいと思います。
とはいえ大王(フリードリヒ2世)のテーマは難しいです。
「王の命令による楽曲、およびカノン技法で解決せられるほかの楽曲 Regis Iussu Cantio Et Reliqua Canonica Arte Resoluta」、このラテン語の単語の頭文字を繋ぎあわせると、「RICERCAR」、すなわちリチェルカーレとなる。これは厳格な対位法で書かれた作品に用いられる古い名称のひとつだが、トッカータに類する即興的な前奏を指すこともあった() 半音階進行ありのとてもクセのあるテーマ。
https://scrapbox.io/files/616302b92491e9001d88f7db.png
「音楽の捧げもの」は対位法を極め尽くしたような作品で少し抽象的な感じを受けるかもしれません(よくわからんってなるかも?)。
3声のリチェルカーレも有名でこちらも私は大好きです。
類似の作品に「フーガの技法」があります。時代を逆行するような作品。
楽器指定はないのでリコーダー等の4声でいつか吹きたいです。ということでまずはコントラプンクトゥスⅠを吹きたいなぁ。いつか紹介したいですね。
元気が湧いてくるような曲
J.S.バッハ「ブランデンブルク協奏曲第5番第3楽章」
Apollo's Fire -- The Cleveland Baroque Orchestra
音源(さっき見つけた):https://youtu.be/zbKkTpD2joA
楽譜付き。https://youtu.be/3vx4Sc_SMsQ?t=925
5番全体
グールドの解説付き。https://youtu.be/gvs4v_aswfk
絶望から希望、感謝、勝利へ
よくある音楽の構成ですがとんでもなく難易度が高いです。
芸術表現がすべてその芸術家の人間性の反映である以上、それらは彼自身の内面の似姿に他ならないはずだ。(青木やよひ「ベートーヴェンの生涯」より)
ベートーヴェンの生涯は最近の研究によりかなりアップデートされふつうの人が思うベートーヴェン像とは異なってきているかもしれません。彼の書いた遺書は必読でしょう。ロマン・ロランによるかなり個人的な熱烈な伝記は有名です。
ベートーヴェン。「ピアノソナタ第31番」
演奏:内田光子(はじめて内田さんのこの演奏を聞いたときはゾクッとしました。)
https://youtu.be/GeJtgsrVdkM
この人の演奏は別格です。もちろんこれまで多くのベートーヴェンを得意とするピアニストがいました。ここでは紹介できなくて残念。
WIP:最終楽章の解説。
https://scrapbox.io/files/615878800a62c5001d7bf55d.PNGhttps://scrapbox.io/files/615878800a62c5001d7bf55d.PNG
ここにKlagender Gesang(嘆きの歌)と書かれています。
「疲れ果て、嘆きつつ」(Ermattet, klagend)
明らかにバッハの影響が見られる
唐突に挿入されるフーガ
高度な対位法
反行型
ベートーヴェン「弦楽四重奏曲第15番」
演奏:アルバン・ベルク弦楽四重奏団
https://youtu.be/ja_YqCUmgAY
ライブ映像です。おすすめはCDを買うか、Spotifyで聴いてください。
特に3楽章に注目してください。
https://open.spotify.com/album/28mQkbr69WXCEn8JwVSNEO?si=zguUT1SjQM6r55Tc2po9hA&dl_branch=1
教会旋法を使用。
感謝。
チャイコフスキー「交響曲第5番」
TODO
人生の慰め
J.S.バッハ。「クリスマス・オラトリオ」から "Ich steh' an deiner Krippen hier"
合唱(4声体)
https://youtu.be/m80m2I9_ZOM
コメント:楽譜を読もう。同名の曲をバッハはもう1つ作っています。
https://youtu.be/uUGY8026mIs
4つの声部が美しく鳴る。プロじゃないところが良い合唱。
アドベントからクリスマスの時期に演奏されることが多いです。曲名の通り、「私はここに立っています。あなたの馬槽(まぶね、イエスが生まれたところ)のそばに 」。
作詞はパウル・ゲルハルト(Paul Gerhardt、 1607年3月12日 - 1676年5月27日)です。彼の詩が後の作曲家に多くの影響を与え、バッハも彼の詩をもとに数十曲もの作品を書きました。
ルターによる宗教改革が1517年。それから150年ぐらいは不安定な時代。病や戦争を生き抜いたこの詩人には焦点を当てて解説したいが余白がない。
バッハ(ルター派)のひとつ上の世代である作曲家シュッツも戦禍のなか、多くの作品を残しています。
バッハ・コレギウム・ジャパン 鈴木優人インタビュー
鈴木優人に聞く、「そもそもクリスマスとは?」
あの鈴木先生の息子さんです。
ブラームス「間奏曲 Op.118-2」
TODO
有名な曲のマイナーな編曲、あるいはバロック以前の古楽を漁るのが好きです。
J.S. Bach ブランデンブルグ協奏曲(アウグスト・ストラダルによるピアノ独奏編曲版)
https://open.spotify.com/album/0VQKYNYOAMsZPHFLbOjmk3?si=bFQcTVKwQVebKDnRbVgKUw
ナナサコフ氏は「好きな曲の録音がないなら自分で演ってしまえ」ということでDTMと自動演奏ピアノを使った演奏をされている。この姿勢も個人的に大好きです。
https://www.youtube.com/watch?v=2TFgb2EG-8M
アマチュアのYouTube動画(しかも第5番の第1楽章のみ)だが、この曲の数少ないピアノ実演のひとつ。曰く "bloody hard to play" だそうな
J.S.Bach ブランデンブルク協奏曲(カール=アンドレアス・コリーによるピアノ独奏編曲版)
https://open.spotify.com/intl-ja/album/4z0h42kHiUzoyaHvTnGL8I?si=Zvn5O4KxS1SfqP1XFAaUPQ
自作自演盤。個人的にはストラダル版の方が好み。
J.S.Bach ブランデンブルク協奏曲第5番(ジョナサン・スコットによるパイプオルガン独奏編曲版)
https://www.youtube.com/watch?v=vPc1GpCoOsU
第5番 第3楽章(匿名投稿者によるMoog Synthesizer編曲版)
https://youtu.be/FY50ng8EGcU?si=IJ-pASje6tEtKJvD
ブランデンブルクと言えば、上でみーくんさんもオススメしているグールドのBWV1050が個人的に大好きなので、このセクションでも貼らせて頂く。聞いてて楽しい気持ちになれる。
言うまでもないがピアノ編曲版ではない。
https://www.youtube.com/watch?v=gvs4v_aswfk
鍵盤楽器として "harpsipiano" (グールドによる改造ピアノ。楽器分類としてはタック・ピアノの一種に当たるらしい?) を使っているのが最大の特徴かも。
ググった限りだと古楽ファンからの評判は最悪に近いですが、私はこの音が結構好きです。チェンバロともピアノとも違う、一音一音が跳ねているようでなおかつ透明感もある音色が気持ちよく感じます。かなり存在感のある音ながら、他の楽器の音を邪魔していないのも良い。
録音が良くないことだけが惜しまれる。
グールドのBWV1050は普通のピアノによる録音もある。コンサートのモノラル録音なので音は良くない(これでもデジタルリマスタリング済みとのこと)。でもこれも好き。
https://open.spotify.com/intl-ja/track/5J8Mxj9v05nMVAONViYSIt?si=1a669e6bbf9941bd
https://open.spotify.com/intl-ja/track/4ONY2yrSa3OruORcJp0kBK?si=6cf48b20833b458d
https://open.spotify.com/intl-ja/track/59JKBk95rt3GsOjoQgZ9vO?si=1e2e58e256414da9
Gregorio Paniagua "Musique De La Grece Antique”
直訳すると「古代ギリシアの音楽」。そのまんまですね。現存する世界最古の歌として有名な『セイキロスの墓碑銘』の編曲版も入ってる。
https://open.spotify.com/intl-ja/album/6lxlMK2hwRL7mOlIBR2q3X?si=d6sWwE6qQietz7Dp1oA3NA
アジャンクールの凱歌(Agincourt Carol)
百年戦争時代のイギリス民謡。歌詞は中英語だが、"Deo gratias Anglia redde pro victoria! (O England, give thanks to God for victory!)" というラテン語のフレーズが何度も繰り返される。
下の録音は「若き伝統(The Young Tradition)」というイギリスのアカペラ合唱ユニットによる歌唱。ニコニコ動画に上がってるやつもこれ。1969年発売。
https://www.youtube.com/watch?v=SW6EhketxYo
J.S. Bach ゴールドベルク変奏曲…の編曲
「トリオ・ツィンマーマン」による弦楽三重奏編曲版
https://open.spotify.com/intl-ja/album/6XFx3HSiIGU1RaLv7Bfyr7?si=Ck58M0v-STC9CrXgFF2V4Q
シトコヴェツキーによる弦楽三重奏編曲版
https://open.spotify.com/intl-ja/album/12NPPDBI48IBBWOsNVdseA?si=kfbLNyzuRZC97qaoA_ogTg
シトコヴェツキーによる弦楽合奏編曲版
https://open.spotify.com/intl-ja/album/3sHJmUrmQ8y4TuN9op2RY0
チェレスタ版
https://open.spotify.com/intl-ja/album/0vjFjXobzkk4kptmZDJMuu?si=cGfYEVZMQnOCRoppahKdyg
これならカイザーリンク伯爵も安眠し放題の落ち着く音色。やったね。
オルゴールみたいだから作業用BGMにもいいかもしれない。居眠りするかもだけど。
アーティストの「Kudo Akira」氏の素性はよくわからない。
トイピアノ版
かなりの変わり種演奏。楽器の性質上、ピッチが狂っている箇所も多いため好みは分かれそう。これはこれでトイピアノの味だと思うので、私は好きです。
ボーナストラックの "Digital Aria Non da Capo" は現代音楽的なミュジーク・コンクレート作品。「トイピアノというアナログの楽器が、すでにデジタル技術を使ったミニ・キーボードへ置き換えられており、その役目を終えようとしていること、消えつつあること、、、つまり昭和のあの時代へは立ち戻ることはないことへの寂寞で複雑な思いを込めて作られています」とのことだが、コンセプトと楽曲のつながりが全く見えなかった(Aria da Capoの後に始まったこの曲にそれまでのトイピアノの余韻をぶち壊されてしまったので、このトラックに限ってはあまり良い印象を持てなかった)。
J.S.Bach リュート組曲(リュートハープシコード編曲版)
https://open.spotify.com/intl-ja/album/3ijoP3mPICiYvc4J0vcgm6?si=GB2SV9GzQ3idAC0SF0AkTA
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夏草や隣の部屋でふぁっく音@LipersInSlums
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※よくわからない画像