CADソフト
スピーカーのエンクロージャ設計にCADを使おうと思っている。当面は、簡単な平面図が描画できれば十分なので、無料の軽量な2D CADソフトで済ます予定。
3Dプリンタを使うこともあるかも知れないので、3D CADも試してみたいが、習得は、かなり先になりそう。なので、基本的なモデリングのアイデアを学びながら、スピーカーに特化したアイデアを蓄えておきたいところ。
2D CAD
jw_cad
非力なPCで軽快に動作する。
操作体系がMS-DOSソフト風で、独特過ぎて、何時間も格闘しないと使えない。
製図支援ソフトである。線を引く、複写する、(部分)消去するといった基本操作を支援する。
オブジェクト間の結合とか制約条件設定などできないので、一ヶ所を変形すると、他のオブジェクトも連動して変形するなんて処理ができない。(使い方を分かってないからかも知れないが)
なので、部品の位置をいろいろ変えて試行錯誤するのは大変。
レイヤーがたくさんあって便利。どのレイヤーにどの部品を描いたかを図示するモードがあるので、すぐに忘れる私にも使える。間違えて他のレイヤーに部品を描いても他のレイヤーに移動可(でも操作が面倒)。
図形の整列操作: よく分からないが基点などを使えばよい?
こんなにきちんとした図面を描くのは私には無理だが、寸法線の引き方とか補助線の使い方とか学ぶ必要ありそう。
Mac版もあるようだが、32bit版なので、Catallina以降の最新のmacOSでは動作しない。64bit環境で動作するWineを別途導入すれば動くかも知れないが、私は非力なWindows PC上で動かすほうが楽。
QCAD
Mac/Linux/Windowsで動く(macOS Montrey で動いた)
コミュニティ版(無料版)には制限がある(DWGファイルの読み書きができない)
オブジェクトの整列(alignment)機能がコミュニティ版にないのが個人的には痛い。木取図で同じパーツを整列させたいので。jw_cadの基点のようなものがあれば、それでも良いのだが。
有償版も Professional (シングルユーザ向けダウンロード版)が 6,500円と低価格。
使い方
いやー、難しい。jw_cadと描き方はほぼ同じだけれど、細かいところが全然違う、というか、どの機能がどのアイコンに割り当てられているのかさっぱり分からないので、習得に時間かかりそう。
nanocad free
無料版はnanocadの古い版なので、最新機能を持たないが、ソフトウエアそのものの制限事項がない
3D CAD
caDIY3D
サイズ変更、移動、回転、といった操作が分かりやすい
木取り図を作れる。材料(資材)一覧から板を選んだら、切り出し(サイズ変更し)、最初に切り出した板から複製・サイズ変更していけば、一枚の板から木取り図が作れる。
非力なPCでも軽快に動作する
問題点
動作不安定: 切り欠きなどの操作をするとよく落ちる(PCが非力かどうかは関係ない感じの落ち方をする)
オブジェクト上の相対座標をキーボードで指定できない。補助線を引けない。
部品同士が干渉するかどうかの確認や設置位置調整などの試行錯誤は無理
多数の穴を開けるのは無理。スピーカーであれば、スピーカーユニットの設置穴やネジ穴などの位置の作図は無理
ビスの干渉・貫通状況を確認するための機能があったので、余裕があれば試すかも知れない
3DCAD Solidworks for Makers
サブスク(年間99ドル)
本格派の3D CADで、職場の同僚も使っているので、使い方教えてもらえるかも。というか、最初はお手本モデルを作ってもらって、それを少しずつ改変するだけにしたい。
Autodesk Fusion
個人の非商用利用目的では、「趣味や個人的なプロジェクトのみにご利用いただける無償プラン」で機能制限版を無料で利用できる。
1年間だけ?
Onshape
SolidWorksの元開発者が作ったので、SolidWorksと似ているらしい
個人使用(非商用)で図面を公開しても構わなければ無料
(公開)ストレージサイズは無制限
Standard Plan (年間$1500)との違いは、プライベートストレージ(無制限)とダイレクト・サポートのみ
Professional Planとの違いは商品管理(PDM)やシミュレーション機能の有無
OSを選ばない。MacのChromeで試したが、軽快動作した。
MacBook Pro のトラックパッドでも、3D回転やパン操作は可能。
操作方法
2本の指を縦方向に同時にドラッグ(スワイプ)するとズーム
あるいは親指と人さし指でピンチイン・ピンチアウト(2本の指の間を広げる・縮める)
親指を押したまま、人さし指と中指の2本をドラッグすると3軸回転
Controlキーを押しながら回転のジェスチャ動作をするとパン
注意事項
有償版はもっとも安価なStandard Planでも年間$1500なので、有償版に移行するかも知れない人は注意
回転とパンは、3本のジェスチャー動作がスムーズに行われないと、2本指ドラッグ(ズーム)として認識される。
親指と残り2本が同時にジェスチャ動作に入る必要あり。私は親指手動なので、他の指が遅れるとズーム
3本指ドラッグは範囲選択動作になる
2D CADと3D CADの違い
2D CADは製図支援ソフト(jw_cadのように、線を正しい場所に描くだけのソフトもある)
3D CADは、プロダクトと同等の立体モデルを作成して、部品同士が立体的に干渉しないか確認したり、強度不足がないか構造シミュレーションをしたりするためのソフト。DIY用途では、立体モデリングくらいまでで、動く部品同士が干渉するかどうかは脳内シミュレーション
なので、両ソフトは別物。両者間で、データを介した相互運用はできないと思っていた方が良い。
データ形式
2D CAD
jw_cad: 読み書きともにサポート: DXF(R12形式(超古いらしいが、QCADはサポート)), JWW, JWC(jw_cadの古い形式), SFC
SFCは日本のみ、JWW, JWCはjw_cadのみ
DXFはAutodesk製CADソフトの古いフォーマット
QCAD: DXF読み書き可能(DWGプラグインは有償版)
nanocad free: DWG (free版なnanocadの旧版のため、最新のDWGをサポートしないが、読み書きできる)
3D CAD
汎用フォーマット STEP(STP)/IGES(IGS)/STL