20230123
賃上げは進むのか
根本的な問は何か?
人手不足の現状→さまざまな統計データからも明らか(有効求人倍率や欠員率など)
教科書的には、需要が増えて供給が経れば、価格メカニズムを通じて賃金は上昇する→しかし実態として実質賃金は、「決まって支給する給与」に注目すると増えていない
なぜ賃金は上がらない?どうすれば上がるのか?
1、賃上げとは
個々の労働者の視点からは、賃上げとは勤続年数などによる定期昇給部分とベースアップがある。
名目の賃金は増えていない
なぜか?
労働組合の組織率低下
長いデフレ経済
賃上げより雇用維持が優先だった
医療介護分野、保育等は公定価格が上限を決める
労働分配率が低い
労働分配率は景気と逆相関する
2、現在の状況
物価上昇への対応
インフレ対応も一時金で
人口ボーナスの時代=昨年よりも今年がより豊かになる時代→ベースアップができた
先行きが不透明な時代+不利益変更の難しさ=一時金で処遇するようになる
人手不足
なぜ賃上げしない?内部留保があるから、賃上げ余力はあるはずとの声
新型コロナで、内部留保があり体力のある会社は労働条件を維持した
会社は、より保守的になっている
3、労働の需要と供給の両面
なぜ正規を増やさず非正規を増やすのか
正規は減っていない。労働力の増加は非正規
変化への対応ができる人でなければ、正規では雇えない
高齢者や女性の労働力化
4、実は会社負担は増加している
会社の支払いと労働者の受け取りの乖離
社会保険料や子ども・子育て拠出金などは企業が負担しているが、賃金に支払える上限を一定とすると、賃上げはその分だけ食われることになる
不利益変更はできないので、既存の社員については増加分を会社負担→賃上げを抑制
5、どうすれば賃金が上がる?
生産性の向上
雇用から請負などリスクを取る労働条件
集団的な労働条件決定
副業や兼業によって実質的な手取りを増やす