20221210
ワクチン注射に関する偏見
誰が誰に対して、また何に対して偏見を持っているのか?
ワクチンを打つ打たないに関して、両者が互いに偏見を持っている複雑な状況が発生している。
ワクチンを打つ人は、打たない人に対して、非科学的であるとか自己利益だけを考えて行動しているなどという偏見を持ちやすい
ワクチンを打たない人は、打つ人に対して、mRNAワクチンという新しい技術であり安全性が十分に確認されていないワクチンを打つなんて、危険だし、そんなに政府のいうことを信じられるというのは自分の考えがない人間ではないかなどといった偏見を持つことが考えられる
周りに流されているだけではないか。自分の頭で考えていない
自分とは異なる選択をする人に対して偏見を持つ
それでは自分と同じ選択をした人に対しては偏見はない?
それでは偏見というのは経済学ではどのように考えれば良いのか?
一つの方法は統計的差別という理屈を使うものである。
ワクチンを打った人が打たない人のことを利己的だと認識するケース
あるグループAとグループBでは、どちらも利己的な人と協力的な人の2種類が存在している。しかしグループAでは、協力的な人の割合が$ p_Aと高く、一方でグループBは$ p_{B}<p_{A}と低い割合だとする。
このとき、個人個人をしっかりと見れば、Bグループの人でも協力的な人もいるが、平均的には利己主義な人が多いと認識されてしまい、例えば企業が人を採用する場合などでも、Bグループは避けられてしまうといった可能性がある。
ここでもグループAとBとは、それぞれコロナワクチンを打った人と打たなかった人に相当するとコロナワクチンを打った人は認識しているかもしれない。
このように平均的な確率が異なることが理由で特定のグループが差別されることを統計的差別という。
ワクチンを打たない人が打った人のことを危険な行為を考えもせずに選択する浅はかな人だと認識する
こちらも同様に統計的差別で説明できるかもしれない
しかしコロナワクチンについてはその効果などについて専門家の意見も分かれていて、どちらの認識が正しいとも判断が難しい
先に自分の選択を決定して、その後に自分の行動を正当化したい場合、異なる選択をした人のことを不合理なものとして批判したくなるのかもしれない
この観点からは、統計的差別だけでなく、帰納的ゲーム理論の考え方なども参考になる
帰納的ゲーム理論とは、ゲームの構造をよくわかっていないプレイヤーが、ゲームを通じて自分の行動と得た利得から、自分が直面している環境やゲームのルールを把握していると考えるアプローチ
試行錯誤を通じて世界を理解する
その過程において、自分の考えとは異なる現象などが起こると偏見を持ったりする
松井彰彦さんの研究などが有名
課題
統計的差別というキーワードについてよく調べて理解する
帰納的ゲーム理論についても検索で見つかる範囲で良いので調べてみる
それらが偏見にどう繋がるのかを自分の言葉で整理する