20220908
前提となる知識
労働力を提供してお金をもらう契約は雇用だけではない。
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労働力を提供する契約には、雇用・委任・請負がある。
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ギグワークとは何か
gig work
ギグとは?
一時的な音楽会→一晩限りのジャズライブ→単発の仕事(本来は一回限りの関係→最近は長期的な関係になることも)
長期的な関係ではなく、必要なときに必要な人が集まって仕事をする
特徴
雇用ではなく請負
また仕事を請け負う際に、プラットフォームによる仲介を受けるケースが多い→発注側から見ると、クラウドソーシング
1日単位よりもさらに短時間
細切れの時間で労働力を取引するのは以前は難しかった
以前は隙間時間にやっていた取り組みであるが、最近はそれを本業にする人もいる
典型的な仕事
宅配ドライバー
フードデリバリー
データ入力などコンピュータを使った単純作業
ベビーシッター、ペットの散歩など
いつ頃からなぜ普及したのか
2019年頃にアメリカで使われ始めた言葉。
特定の働き方を「新しい働き方」として名前をつけてやることで、多くの人が理解しやすく格好いいイメージを作った。
1987年頃からフリーアルバイター=フリーターという用語が登場した。そのころは会社に縛られない自由な働き方、夢を追いかける人の働き方としてポジティブなイメージを持っていた
雇用類似の働き方としては、2010年代中頃からすでに議論されていた
需要側と供給側
労働力を需要する側=多くの場合は企業、またペットの散歩などは消費者からの発注
細かい仕事を安価に実施してくれる労働力が欲しい
以前は、ある程度長期の雇用が必要だった(取引費用と企業の境界)→技術進歩で可能になった
新型コロナウイルス感染症による在宅時間の増加→amazonの配達やウーバーイーツなどの仕事が増えた
労働力を供給する側
本業の他に副業としての収入が欲しい
雇用契約よりも柔軟で働きやすい環境が欲しい
当初は、双方にとって得な働き方と認識されていた
例:タクシードライバーとウーバーの運転手
金銭的に働く側は収入が多く、依頼する側は支払いが少ない
なぜ可能になったのか
労働力の需要側と供給側をマッチさせる技術の進歩
仕事の標準化=マニュアル化が進展して、新しい人に仕事を任せやすくなった
労働者派遣などでも短期的な仕事は可能だが規制は多い
インターネットとスマートフォンの発達で登録とマッチングが容易に
フリーターや短期バイトとの違いは何か
雇用契約か否か
法律上は個人事業主として企業から仕事を請け負う関係
労働法による保護の対象とはならない
雇用類似の働き方として、どのような範囲で保護をするかが議論されている
保護の対象外
労働災害
病気
契約の打ち切り
収入の安定性
アルバイトの場合には、雇用契約なので時間を提供している→客が来なくても働いた時間は賃金が得られる
ギグワークの場合、待機していても依頼がなければ収入はゼロ→ばらつきが大きい
指揮命令がある場合には、請負を装っているが、本来は雇用として扱われるべきものというケースもある
個人事業主との違いは
基本的には個人事業主
ただし多くの場合、別に本業があって隙間時間に始めたというのが違い
しかし最近は、ギグワークだけで生計を立てようとしているケースもある
ただし個々の仕事は短い→それを大量にこなすことでトータルの収入を得る
大学生がギグワーカーになるメリット、デメリットは何か
労働時間の自由度
条件
保護と保障
大学生の時間という機会費用(アルバイトに共通しているが)
ギグワークの普及が大学生の就職活動にどのような影響を与えるか
労働需要への影響
そもそも隙間時間に副業・兼業を行うことからスタートした
なぜ副業・兼業をするのか
お金のため
経験を身につけるため
隙間時間に労働供給が増えると、時間当たりの賃金は低下する
場合によっては総収入が減少することも
余剰の最大化の観点からは望ましくても、少なくとも短期的には労働者にとって損になる可能性
合成の誤謬=個々人にとっては正しくても、皆がそのような行動を取ると全員にとって損になる
大学生が就職活動をする際に、ギグワークを経験したことがプラスになるのか
採用する側からどのように見えるのかを考えよう
なぜギグワークを選んだのか、そこから何を学んだのか