ブッダという男
#本 #仏教 #宗教
『ブッダという男 ——初期仏典を読みとく』清水俊史, ちくま親書1763, 2023
https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480075949/
https://misskey.design/notes/a3glob1fzwtl0be6
ブッダに限らず、2500年前の人物を資料を読むときに、現代人はつい自分の理想を投影して解釈してしまうので、本当は言っていないことを解釈に含んでしまう。
しかし、古代人の言ったことを歴史的資料として読むだけでなく、「現代的なイメージとして」教祖の言ったことを解釈するのは、生きること・社会活動に取り組むうえでのエンパワメントとして有用であり、それが宗教の意義であると思った。(たとえばインドのカースト制度撤廃(1950年)には現代的に解釈した「階級差別をしない」ブッダ像が大きく寄与している)
読書タイミング的には アメリカの🃏に慈悲を説いた牧師 が思い出される……
文中で笑っちゃった仏教の現代的解釈:
「ブッダは同性愛に寛大だった」という現代的解釈に対して、
「現代的な視点で見たら2500年前のインド社会でそんなわけはなく、ましてや仏教ではそもそも同性愛であれ異性愛であれ性愛は取り除くべき煩悩である」という指摘(p.210)
中村元の仏教学を先に読んで「ブッダってウィトゲンシュタイン的な不可知論的な視点を持ってたのか〜面白いな〜」って思ってたら、本書(『ブッダという男』清水俊史)で「そうは言ってないで」って手のひら返されて良かったので、オススメです。