類人猿
類人猿(るいじんえん)とは - コトバンク
哺乳綱霊長目ヒトニザル上科(ヒト上科)ショウジョウ科に属する動物の総称。
この科Pongidaeの仲間は、ショウジョウ亜科Ponginaeまたは大型類人猿great apesと、テナガザル亜科Hylobatinaeまたは小型類人猿lesser apesに分かれ、前者には3属4種、後者には1属8種が含まれる。また、アジアの類人猿Asian apesとアフリカの類人猿African apesに分けることもある。
前者はテナガザル類とオランウータンからなり、後者はゴリラ、チンパンジー、ボノボからなる。いずれも熱帯森林に生息する。
尾をもたないこと、頬袋(ほおぶくろ)をもたないことでオナガザル類と区別される。
歯式は、オナガザル類およびヒトと同じ$ \frac{2\cdot1\cdot2\cdot3}{2\cdot1\cdot2\cdot3}の32本である。
大型類人猿はとくに発達した脳をもつ。頭蓋(とうがい)内容量は、オランウータン400cc、ゴリラの雄500cc、雌400cc、チンパンジー400ccで、小形類人猿であるテナガザルの100ccに比し格段の開きがある。
類人猿の祖型は、第三紀漸新世のエジプトのファイユームから出土している。
類人猿はヒトに最近縁の系統群で、人類進化の研究にとっては重要な存在である。