自己参照効果
一般に記憶は、処理水準の深い情報処理を伴う記銘方略を採用するほど再生成績がよくなることが知られている 記憶課題を自己に関連づけて行う場合、その記憶成績は一段と向上する
自分自身に関連のある情報はあとで参照する可能性が特に高い
自己知識はその質と量において、他の事物や人物に関する知識を圧倒している
実験参加者に40個の特性形容詞を順に見せる
10個については形態判断(フォントの大きさ)
10個については音韻判断(韻を踏んでいるか)
10個については意味的判断(類義語であるかを判断)
10個については自己関連性判断(自分にあてはまるか)
結果
自己関連性判断では、一般的にはもっとも再生率が高いといわれる意味判断よりもさらに高い記憶成績が見られた
自己関連性判断が、意味判断以上に深い情報処理を促していたことを示唆している
自己が組織化された知識の集積体であるからこそその知識との照合である自己関連性判断は、新たな情報を知識のネットワークの中に組み込み、記憶の再生を促したのだろう
自己知識はその質と量において、他の事物や人物に関する知識を圧倒しており、それゆえに自己関連づけ効果が生じるのだと考えられる