腐ったリンゴ効果
alias: bad apple effect
社会的ジレンマ事態で、少数のフリーライダーの存在により当初は協力していた人が次第に協力しなくなり、やがて誰も協力しなくなる様子(Bonacich, Shure, Kahn, & Meeker, 1976; Marwell & Shmitt, 1972).
社会的ジレンマにおいて環境変化と他者行動が協力行動や解決策選好に及ぼす効果
フリーライダーの非協力の程度を連続的に変えたうえでBad Apple Effectを確かめた研究はない
実際, 先行研究で"Bad Apply Effect"を取り上げた実験は, すべて, 囚人のジレンマなど, 利得関数が固定された状況で, かつ, 協力 か非協力の二者択一状況であった(Bonacich et al, 1976; Marwell & Shmitt, 1972)
従来からいわれてきたBadAppleEffectよりも,事態変化による利得関数の変化による影響のほうが強いのではないかという可能性を示唆している
結果は,フリーライダーによるBadAppleEffectよりも利得構造による影響が強いため,環境が汚染されていない状況では協力率が低く,環境汚染が進み利益率が下がったために,協力率が高まったと考えられる.
以上より,協力率が低いブリーライダーが存在するからといって,ただちにコストをともなう解決策を選好するということはないが,危機感を介して,あるいは罰金制度については直接的に,解決策選好に影響を及ぼしている可能性が示唆された。