社会的孤立
バークマンとサイムは、カリフォルニア州アラメダ郡での9年に及ぶ追跡調査の結果から、社会的なつながりの少ない人は死亡リスクが高いことを明らかにしている(Berkman & Syme, 1979)
以下のを規準で調査対象を4群に分ける
結婚をしているか
親しい友人や親戚と接触はあるか
教会に所属しているか
公的、非公的なグループとのつながりはあるか
その結果、年齢、性別にかかわらず、社会的に孤立している者ほど死亡率が高いことが明らかになった
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彼女らの推定によれば、社会的なつながりが最も少ない第1群は最も多い第4群に比べ、男性で2.3倍、女性で2.8倍も死亡リスクが高かった
その後に行われたいくつもの類似の調査のメタ分析によれば、社会的孤立は高血圧や肥満、運動不足、喫煙に匹敵する危険因子だとされている(House, Landis, & Umberson, 1988)
ただし孤独感には個人差があり、客観的には孤立しているようであっても、孤独を感じていない人もいるし、表面的には他者とのつながりが多く、社会的孤立の程度が低いように見える人でも孤独感が強い場合もある
興味深いことに、このような主観的な孤独感は、客観的指標によって測定された社会的孤立と同程度に、健康リスクを予測することが明らかにされている(Holf-Lunstad, Smith, Baker, Harris, & Stephenson, 2015)