情報の空白
知識の空白を埋めようとする力が好奇心
少し知っていることが重要
『子供は40000回質問する』
好奇心はどのようにして刺激されるのだろうか。心理学・行動経済学者のジョージ・ローウェンスタインが提唱した「情報の空白」という考え方がヒントになる。新しい情報よって無知を自覚し、自分の知識の空白地帯の存在に気がついたときに好奇心が生まれるというものだ。 ここで重要なのは、「少し知っていること」が好奇心に火をつけやすいということ。好奇心は、何も知らない事柄に対して湧いてくるかのようなイメージを持たれがちだが、実際には、人はまったく知らないことには興味を持ちにくい。「何を知らないか」すら分からない状態では、疑問を膨らませることも難しくなる。 もちろん、すでに知り尽くしていると思っている事柄に対しても、知りたいという欲求は湧きづらい。好奇心が最も発揮されるのは、「知りすぎ」と「知らなすぎ」の間なのだ。
佐宗(2019)は,カーネギーメロン大学の行動経済学者ジョージ・ローウェンスタイン教授の理論を参照しながら,創造性には,妄想と現実との間の「情報ギャップ(情報が欠けている)」ことが不可欠である(佐宗,2019:93-94),と述べている。現実直面する問題や課題に対し,創造性を発揮させようとするならば,情報を与えすぎず,限られた情報の中で思考を巡らせることが重要であると窺える。 出典は?
Loewenstein, 1994
Curiosity, Information Gaps, and the Utility of Knowledge
Golman and Loewenstein, 2014
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