オズワルド・エイブリー
alias: O・T・アヴェリー
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source: By Unknown - http://profiles.nlm.nih.gov/CC/A/A/L/P/_/ccaalp_.jpg, Public Domain
オズワルド・アベリー - Wikipedia
オズワルド・セオドア・アベリー(エイブリーとも。 Oswald Theodore Avery 、1877年10月21日 - 1955年2月2日)は、カナダ生まれのアメリカ人医師・医学研究者。彼の業績の多くはニューヨーク市のロックフェラー病院でなされた。アベリーは最初の分子生物学者の一人であり、免疫化学の創始者でもあった。彼の業績でもっともよく知られたものは、共同研究者のColin MacLeoudおよびMaclyn McCartyとともに行った1944年の発見である。それは、DNAが遺伝子の実体であるという発見であった。
長い年月に渡って、遺伝情報は細胞のタンパク質にあると考えられていた。1928年のフレデリック・グリフィスによる研究(グリフィスの実験)を受けて、アベリーはMacLeoudとMcCartyとともに、遺伝の謎に取り組んだ。1943年には、ロックフェラー研究所から名誉退職の状態にあったが、その後5年間研究を続け、革新的な発見をするだけでなく殿堂入りに値することを証明した(当時彼は60代後半であった)。
彼らの鍵となる実験は、概念的には単純なものであった。細菌は液体培地を介して遺伝物質をやりとりすることが可能であり、それが形質転換(新しい遺伝形質の獲得)の理由であると考えた。もし細菌が有機分子を含む液体培地で形質転換すれば、その分子は遺伝情報を持っていると考えられる。実験には肺炎レンサ球菌(Pneumococcus)が用いられた。肺炎レンサ球菌のR型は非病原性だが、S型は実験室のマウスに肺炎を引き起こす。
細菌からさまざまな有機分子を分離する技術が用いられた。ある有機物質を取り除いた残りの物質を細菌に与えても形質転換することが可能であれば、取り除いた物質は遺伝子の実体ではないと判断できる。まず最初にS型菌の細胞構造を破壊した。それからタンパク質分解酵素で処理し、タンパク質を取り除いてからR型菌に与えた。そのR型菌は形質転換を起こしたので、タンパク質が遺伝子の本体でないことが証明された。続いて、DNA分解酵素処理したものもR型菌に与えられた。この処理の後では、R型菌は形質転換を起こさなかった。これは、DNAが遺伝子の本体であることを示している。
アベリーの発見は、1952年のアルフレッド・ハーシー (Alfred Hershey) とマーサ・チェイス (Martha Chase) の実験(ハーシーとチェイスの実験)に発展した。これらの実験が、ジェームズ・ワトソンとフランシス・クリックによるDNAの二重らせん構造の発見へと導き、現代遺伝学や分子生物学の誕生するきっかけとなった。そのことについてアベリーは彼の弟への手紙で、「シャボン玉をたくさん飛ばすことは楽しいが、誰かがそれを針で突こうと試みる前に君自身が試みる方がより賢い」と書いた。
ノーベル賞受賞者ジョシュア・レダーバーグは、アベリーと彼の研究室は『現代的DNA研究の歴史的土台』と『遺伝学と生物医学研究における分子革命の前兆』を提供したと述べた。
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