〈コラム〉いきもののかわいさを再現するインタラクティブシステム
https://gyazo.com/225a38f4c453f85443f9716ea645f4ee
a. 想像上のキャラクタとのリアルな触れ合い
Kobito - Virtual Brownies
妖精たちとのふれあいを実現するAR作品
https://www.youtube.com/watch?v=F63Iac2IIDo
論文
b. 心の存在を感じさせる振る舞いの自動生成
小動物や赤ちゃんの視線移動に大きく関わる
これを模倣した"Koguma"を実現した
"Koguma"は周辺の物体ごとに動き・接触・関心に応じた「注意量」を計算し、注意量最大の物体に注視し手を伸ばす
転がるリンゴを凝視する
つつかれて振り向く
リンゴと体験者の間で逡巡する
17個の関節を持つ身体物理モデル
細かやかなインタラクション
相手の視線が見ているものを一緒に注視しようとする働き
親と赤ちゃんとの間などでも見られる
「自分に興味を持つ」だけでなく「自分と興味を共有する」ようになり、より社会性のあるかわいいキャラクタを生み出せる
小嶋らのKeepon はこうした視線と感情表現を最小限の外観で実現したものとして完成度が高い
共同注意によって話題の共有を視線で示す会話エージェントを開発した
c. 手触りも動きも柔らかいぬいぐるみロボット
RobotPhone
人が動きを与えたり遠隔操作したりすることで可愛らしく動くテディベアロボット
一方で毛皮の下は硬いプラスチックで、抱きしめた時の触感は多くのロボット同様あまりよくない
筆者らは、ぬいぐるみの柔らかい特徴を保つぬいぐるみロボットを実現した
骨のない動くぬいぐるみとしては杉浦らのPinokyも挙げられる
d. かわいい身体拡張
センシングやロボット技術を用いるかわいい装着型デバイスも出現してきている
こうした拡張身体は本来人体にない部位のため、どう動かすかの問題が生じる
クワクボリョウタのシリフリンはしっぽが装着者の腰の動きに連動
氏間らの義尾は筋電を使い訓練することでしっぽを動かしている
一方で、身体拡張デバイスにキャラクタ動作生成の仕組みを応用できれば、装着者からの入力がなくとも、装着者のおかれた状況に応じて身体部位デバイス自身が自律的に自然にかわいらしい動作で反応してくれると考えられる
「かわいい寄生生物」とも言える仕組みにより、装着者の負担なくかわいい身体拡張が実現するかもしれない