3-8. 翻訳
https://gyazo.com/c46126ed3d416a19ff66aa9dd02da825
https://amzn.to/2I6DMZu
真核生物では転写は核、翻訳はその後に細胞質と別々に起こる
原核生物では転写のあと翻訳が連続して起こる
1) コドンとtRNA
コドン
mRNAはアミノ酸を3塩基単位(コドン)でコードする
https://gyazo.com/0919d76b0dc8c05312e57f83edb23f85
各コドンに対応するアミノ酸は遺伝暗号表に記載されている
終止コドン
64種類あるコドンのうち、3種類のコドンはアミノ酸を指定せず、翻訳を終わらせる
コドンの縮重
同義コドン間では、主にコドン中の3番目の塩基に変化がみられる
これはmRNA中のコドン3番目の塩基と、それに対合するtRNAのアンチコドンの塩基との間の水素結合が曖昧であっても形成されてしまう(ゆらぎ)ためにみられる現象
開始コドン
AUGはメチオニンをコードするが、開始コドンとしても作用する
tRNA
アミノ酸は、決まったアミノ酸を決まったtRNAに結合させるアミノアシルtRNA合成酵素によってtRNAの3'末端に結合する
e.g. リシンはリシンtRNAにのみ結合できる
tRNAは約75塩基の小型RNAで、内部のアンチコドンでmRNAのコドンとアニールする
https://gyazo.com/6d1f58265cf5dec3003a50c0760d7de3
tRNAを介して塩基配列情報がアミノ酸配列情報に読み換えられるため、タンパク質合成は翻訳(translation)といわれる
2) 翻訳機構
開始まで
翻訳はリボソーム上で起こる
リボソーム
大サブユニットと小サブユニットからなり、各サブユニットは少数のrRNAと多数のタンパク質からなる
ペプチド重合活性は大サブユニット中の最も大きなrRNA(e.g. 大腸菌では23S rRNA、動物細胞では28S rRNA)にあり、タンパク質合成阻害能をもつ抗生物質の多くはこのrRNAに結合し、翻訳を阻害する
翻訳開始前、まずリボソーム小サブユニットがmRNAのリボソーム結合部位に結合する
https://gyazo.com/971b59064c541c901cda5b0c6d5495b3
大腸菌では翻訳開始部位の上流にあるSD配列(シャイン・ダルガルノ配列)が16S rRNAとアニールし、リボソームは下流の開始AUGコドンまで移動する
真核生物ではキャップ構造がリボソーム小サブユニットの最初の認識部位となる
翻訳におけるコドンのとり方(読み枠:リーディングフレーム)は3種類ありうるが、実際に使われる読み枠はリボソームによって認識された最初の開始コドンによって決まる
ペプチド鎖伸長機構
リボソーム小サブユニットが開始AUGコドンに到達すると、リボソーム大サブユニットが小サブユニットと結合・合体し、メチオニンをもったtRNA(メチオニンtRNA)がコドンに結合する
次に2番目のアミノ酸をもったtRNAが結合し、リボソームのペプチジル転移酵素活性]により最初のペプチド結合ができる
https://gyazo.com/9d01a42fa0939519a0a04bf7d4e090dc
リボソームはmRNAの下流に向かってコドン1つ分だけ移動する
メチオニンtRNAはリボソームから離れ、3番目のアミノ酸をもつtRNAが結合する
あとはこの反応が繰り返される
これらの反応には複数の翻訳因子やGTP(グアノシン三リン酸)などが使われる
リボソームが下流に向かい、終始コドンに達すると終結因子が結合し、ペプチド鎖が放出されるとともに、リボソームもmRNAから離れる
memo: リコーディング
コード領域に生じた変異の影響で翻訳が途中で止まることを防ぐ現象
このなかにはナンセンスコドンに適当なアミノ酸を割り当てるサプレッサーtRNAを働かせたり、セレノシステインという特殊なアミノ酸を充てるなどして翻訳の読み過ごし(リードスルー)を行ったり、リボソームが読み枠をずらして翻訳を続けるあんどの機構がある
異常タンパク質をつくらせない機構
変異によってmRNAの読み枠内のコドンが終止コドンに変わったナンセンスコドンがでてきても、通常は、想定されるような短いポリペプチドはほとんど検出されない
この理由の1つは、異常タンパク質を速やかに分解する機構が働くため
もう一つは、翻訳自体が抑制されるという機構もかかわる
未成熟な終始コドンがあると、いくつかの因子によってNMD(ナンセンスコドン介在mRNA分解)という現象が起こり、翻訳も行われない
正規の終止コドンが通常コドンに変わったようなmRNA(ノンストップmRNA)の場合も、別の機構が働いてmRNAの分解や翻訳の抑制が起こる