20. HtrA2/Omi:細胞死制御とパーキンソン病にかかわるミトコンドリアタンパク質
https://gyazo.com/9736a0b8ee97d1b626cf3f00ea915f6e
https://amzn.to/2zz6DFb
小林芳人
キーワード
HtrA2/Omi, ミトコンドリア, パーキンソン病
HtrA2/Omiはセリンプロテアーゼであり、細菌のHtrAはペリプラズムに存在しており、高温に対する耐性に必要であり、温度によってシャペロンとプロテアーゼの2つの作用をもち、異常タンパク質のセンサーとしても働く
ヒトの細胞ではミトコンドリアの膜間スペースに局在している
アポトーシス誘導刺激が加わるとHtrA2/Omiは細胞質内に放出され、複数の経路で細胞死を促進する
https://gyazo.com/e13cd3e9331c19e125da4e0b6463473e
①IAPの働きを阻害してプロテアーゼ活性で分解してcaspase活性の上昇を伴う経路
②ミトコンドリア外膜の透過性を亢進させる経路
③プロテアーゼ活性に依存したcaspaseに依存しない経路
ところがミトコンドリアに局在している状態では、HtrA2/Omiはミトコンドリアの機能を保ち、生存を維持するのに不可欠
このことは、HtrA2/Omiの機能喪失変異をもつマウス(mnd2)およびHtrA2/Omiノックアウトマウスの研究で明らかとなった
このマウスは生後3週間頃より線条体ニューロンが進行性に変性し、パーキンソン病様の症状や体重増加不良を示し生後40日までに死んでしまう
このマウスの細胞は、ミトコンドリア膜透過性亢進現象の誘導に対して感受性が高く、薬剤ストレスによる細胞死の感受性も高い
またHtrA2/Omiのノックアウトマウスでも同様の結果が示された
最近、ドイツにおいてパーキンソン病患者でHtrA2/Omiのミスセンス変異が同定されており、ヒトのパーキンソン病の一部に関与している可能性も考えられる