11-4. 核酸の濃縮
https://gyazo.com/c46126ed3d416a19ff66aa9dd02da825
https://amzn.to/2I6DMZu
核酸試料が薄すぎる場合は、使いやすいように濃縮する必要がある
濃縮には沈殿、水分除去、吸収・吸着などの方法がある
1) 核酸のエタノール沈殿
原理
最も一般的な濃縮法
核酸は極性分子(分子全体でみた場合、電子の分布が偏っているもの)なので、同じ極性分子である水によく溶ける
エタノールは非極性分子なので核酸は溶解しない
核酸溶液にエタノールを加えると核酸を溶かしている水が奪われる状態となり、核酸が不溶化・沈殿する
https://gyazo.com/6e48a0e70cadb0cd5cc8d4aafad529c4
操作の概要(DNAの場合)
1) DNA溶液に酢酸ナトリウムを加え、全量の2倍量のエタノールを加える
核酸は負に荷電して互いに反発するため、凝集・沈殿しにくい
そこで一価陽イオン(e.g. NA+, K+)を加えて電荷を中和して沈殿しやすくする
酢酸ナトリウムは微塩基性なので、DNAの安定化に寄与する
2) 適当に冷却した後、遠心分離してDNAを沈殿させる
沈殿を大きくし、沈殿しやすくするために冷やす
3) 上清を除き、エタノールを蒸発させて除く
4) 沈殿を少量のTEバッファーに溶かす
2) その他の濃縮法
https://gyazo.com/f17a73b8835eeb12c8dd47bd9994466b
沈殿法
エタノールの代わりに、イソプロピルアルコール(2-プロパノール、イソプロパノールともいう)やポリエチレングリコール(PEG)を加える方法もある
イソプロピルアルコール沈殿は液量が多いとき有用である
ポリエチレングリコール沈殿はRNAが混在する試料中のDNAの沈殿に適している
吸着法
核酸が陰イオンを吸着する担体(e.g. DEAEセルロース)と結合する性質を利用する
糖類や脂質などのイオンでない物質の除去にも使える
水分除去法
ブタノールを加えると水がブタノールに移動して液量が減る
塩類やバッファー成分などの低分子物質も濃縮されるので、それらを除く後処理が必要
memo: 低分子物質の除去
透析やゲル濾過により、試料中にある塩類やバッファー成分などの低分子(小さな分子)を除くことができる
透析とは、試料を半透膜(分子が通過できる程度の小さな穴が空いている膜. 細胞膜、セロハン膜など)の袋に入れて水に浸け、低分子を袋の外に出す方法
ゲル濾過は、ゲル微粒子の隙間に分子を流すと、低分子はゲルに入るので遅れて流れるという原理に基づき、分子量で分子を分離する方法
ゲル: 不溶性の網目状構造の固体で、多量の水を含む. 固まった寒天、ゆで卵など
https://gyazo.com/fb0651bb39ca8646e6d0e35819b76cc2