問題解決シンドローム
現在の学生は「問題解決シンドローム(症候群)」にかかっていると言えよう。この症候群は3つの症候によって形成される。 (1)問題は与えられるものである。
(2)与えられた問題には必ず唯一の答えがある。
(3)その唯一の正解は誰かが知っているし、場合によっては教えてくれる。
ところが、よく考えてみると、学生ばかりではなく、我々現代人のほとんどもこのシンドロームに罹患していることがわかる。かつて高度成長期には共通の「問題」認知があった。
しかし、現在の世界は何を問題として設定し、何を答えとすれば良いかさえ定かではない。そういった混沌とした状況の中では、従来型の問題解決だけをやっていては生き残れなくなっている。いくら従来から認知されている問題解決を行ったとしても、あるとき突然その「問題」自体が意味をなさないということもありえるだろう。