ダブルループ学習
from 学習する組織
ダブルループ学習(double-loop learning), 高次学習(higher-level learning)
長期的に存続するために,組織はこのような陥穽・逆機能を克服するとともに,さらに進んでルーティン・ベース,歴史依存的ではない全く別の形で学習を行わなければならない。
すなわち,ある前提のもとで,あるいは既存の枠組内で学習するのではなく,前提や枠組自体も疑い,必要ならばこれらに修正を加えることが組織が長期的に存続するうえで重要となる。このような組織学習はシステムや規範の変革をもたらす。
ダブルループ学習
「組織が,様々な組織活動の内容とその結果を評価するために現在使っている論理の妥当性を検討し,それが妥当性を失っている場合には新しいものに置き換えるプロセス」(Argyris & Schon, 1978)と定義される
シングルループ学習では,組織の目標やルール,体制などを変更せず,これらを所与として,手段や行動を修正し,問題の解決が図られる。
これしか存在しない組織では,組織の構造や秩序がより強化され,環境が変化するにつれて不適応が深刻化する。
それに対してダブルループ学習では,前提となる価値体系や目標も考察対象となり,問題の解決に必要な場合はこれらの修正や廃棄も行われる。
これを有する組織では,構造やプロセスの革新が起こりうる。
体系的廃棄
アンラーニング
高次学習も同様の概念であるが,厳密にはこれは「新しい行為に関連する規則等の開発,因果関係の理解,組織全体に影響を与える学習」(Fiol & Lyles, 1985, p.810)と定義される。
低次学習がルーティン・レベルでなされる行動の表面的,部分的調整であるのに対して,
高次学習は構造の変革,仮定(assumptions)の修正をともなう学習である。