スイッチ!
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容器の大きさで食べる量が変わるかという実験
まずいポップコーン
MサイズとLサイズだとLサイズのほうが食べる量が多くなった
実験は何回も再現された
楽しいから食べたわけではない
空腹状態は関係ない
観客たちは容器のせいだとは思わない
公衆衛生の人が見たら考え方や生活習慣を変えないといけないと考える
生活習慣の問題だと考える
解決方法は単純で容器を小さくすればいい
私達は単純な変化の問題をすぐに複雑な変化の問題に置き換えてしまう
変化の1つ目の意外な事実: 人間の問題に見えても、実は環境の問題であることが多い
感情は象、理性は象使い
象使いは象に比べるとはるかに小さい
揉めた時に象使いは必ず負ける
変化がうまくいかないのはたいてい象のせい
長期的な報酬のために短期的な報酬を犠牲にしなければならないことが多い
変化を実行するのは象
象のエネルギーと勢いが必要
象使いは頭を空回りさせてしまう
分析しすぎる
象を綱引きで従わせてもいつか力尽きる
味覚の記憶について実験するという名目
2グループ
クッキーを食べる、ハツカダイコンは食べなくてもよい
ハツカダイコンを食べる、クッキーは食べてはダメ
つまみ食いできる状況を作ったが、ダイコングループはつまみ食いしなかった
意志の力
その後、難しくてストレスの貯まる課題をさせた
誘惑のないクッキーグループは19分、34回の試行錯誤で諦めた
ダイコングループは8分、19回の試行錯誤で諦めた
セルフコントロールは消耗資源という考え方は重要
悪い習慣と戦う意志力のような狭い意味ではない
より幅広い自己管理を指している
様々な研究によって、自己管理が心身を消耗させることが証明されている
変化を起こそうとしているとき、人々はたいてい自動化された行動に手を加えなくてはならない
自動化された行動を変えるには、象使いによる最新の管理が必要
変化の2つ目の意外な事実: 怠けているように見えても、実は疲れ切っている場合が多い
感情に訴えかけることで状況は変わる
変化の3つ目の意外な事実: 抵抗しているように見えても、実は戸惑っていることが多い
人を変えたければとびきり明確な指示を与えなければならない
「もっと健康的に行動しよう」→「次にスーパーの乳製品コーナーに立ち寄ったら、ホールミルクではなく低脂肪乳に手を伸ばしなさい」
行動を変えるフレームワーク
象使いに方向を与える
抵抗しているように見えても、実は戸惑っていることが多い
したがって、とびきり明確な指示を与えよう
象にやる気を与える
怠けているように見えても、実は疲れ切っている場合が多い
象使いが力づくで象を思い通りの方向に進められるのは短い間だけ
したがって、相手の感情に訴えることが重要
象に道を歩かせ、協力してもらおう
道筋を定める
人間の問題に見えても、実は環境の問題であることが多い
道筋を定めることで、象使いや象の状態にかかわらず、変化を起こしやすくなる
お手本となる成功例を探す
ベトナムの村で慢性的に栄養不足の子どもたち
全家庭の体重を測定して普通のこどもより体格がよくて健康な子どもがいるので母親たちと見に行く
村の常識
1日2食、最高級の米など、子供向けのやわらかい純正食品をとっていた
子どもたちは自分の腹具合を把握していて、大皿から適切な量をとると考えている
健康な子供の家
1日4食(量は他の家庭と同じ)
栄養不足の子供の胃では食べ物を一度に消化しきれない
積極的に食べさせていた
田んぼで小さなエビやカニをとり、子供の米に混ぜていた
村の常識では大人の食べ物
サツマイモの葉も混ぜていた
村の常識では低級な食べ物
正式な発表をしない
知識では行動は変わらない
プログラムを考案
栄養に問題を抱える50の家族が、10家族ずつ分かれて小屋に集い、手分けして食事の支度をする
非常に具体的な指示、希望、道筋
その土地にあった解決方法
困難な状況に直面すること、象使いはあちこちに問題を見つけ、多くの場合は分析麻痺に襲われてしまう
はっきりと方向が定まるまで、象使いはずっと頭を空回りさせ続ける
従来のセラピー
問題を掘り下げて、現在の行動を説明できる黄金の事実を発掘する
考古学のよう
解決志向療法は目の前の問題の解決策にのみ着目する
「夜中寝ている間に、奇跡が起こり、あなたがここで相談した問題がきれいさっぱり解決したとします。朝起きた時に"何かが変わった、問題がなくなっている"と思う最初の小さなサインはなんですか?」
奇跡そのものを説明させるわけではなく、起こったらどのようなサインがあらわれるかを答えさせる
「最初の小さなサイン」
壮大過ぎて実現不可能な答えを避けさせる
「最後にほんのわずかのあいだでも奇跡がみえたのはいつですか?」
患者が自分自身で問題を解決できるということを伝える
患者は少なくとも一定の場面では、すでに問題を解決しているという証拠を挙げている
ブライトスポットに目を向けるのは難しい
現実には問題に目を向ける
英単語の例
感情をあらわすもっとも基本的な24の英単語のうち、ポジティブな単語は6つしかない
さらに詳しい研究では、全558単語のうち、ネガティブな単語は62パーセント
200以上の文献を調査し、人間の行動や認知の幅広い範囲で、「悪は善よりも強い」という一般則が成り立つという
悪い出来事の写真と良い出来事の写真を見せられた人は、悪い出来事の写真を見るのに長く時間をかける
誰かの悪い評判を知ると、よい評判よりも心に残る。悪い評判により着目し、より考えをめぐらし、より長く記憶し、その人全体を評価する時により重視する
ある研究者が人が日常生活の出来事をどう解釈して説明するかを調べた17の研究を調査した
様々な分野で、人はポジティブな出来事よりもネガティブな出来事を自然と持ち出し、説明しようとしていることがわかった
問題への注目→解決策への注目
相手に行動を変えてもらうには、「新しい行動」をはっきりと説明する必要がある。新しい行動が明らかだと思いこんではいけない。
組織改革に関する先進的な研究
研究者たちは変革活動を3つのグループに分類
もっとも成功した活動
中間
もっとも成功しなかった活動
いずれのグループでも、ほぼ全員が目標を設定している
しかし、変革に成功した人ほど、行動目標を定めていることがわかった
上位3分の1では89パーセント
下位3分の1では33パーセント
「今年度の終わりまでに、3年生になりましょう」
教室に学者という文化を根付かせる
学ぶために生きていて、それが得意な人
学者たちは家に帰ったら学んだことを家族に教えるよう言われた
描き出した未来に向かって前進するための10~30年先の大胆な目標
壮大(Big)で困難(Hairy)で大胆(Audacious)な目標(Goal)
ヘンリー・フォードのBHAGは「自動車を誰もが購入できる製品にする」
このような壮大で意欲的な目標を設定しているかどうかが、息の長い企業とそれほどでもない企業の分かれ目になっている
変化を引き起こす場合には、もっと身近な目標が必要
大半の組織の目標には感情的な要素が欠けている
具体的(Specific)で、測定可能(Measurable)で、実行可能(Actionable)で、重要(Relevant)で、適時的(Timely)な目標
SMARTな目標が効果を発揮するのは、変化の場面というよりも安定した状況
その目標に価値があるという前提
「効果的なビジョンには、従業員が会社と一体感を持てるような価値観が盛り込まれていました。あるガラス会社のマネジャーは"15%の投資利益率を実現する、ではちっともワクワクしない"と話していました」
超明確な目標を定める
不明瞭さが象に言い逃れの余地を与え、失敗を正当化しやすくする
「今年度は収益を14・2パーセント増加させる」
「最善を尽くそう」よりははるかに効果的
数字の捉え方にはまだ正当化の余地が残されている
オール・オア・ナッシングの目標
目的地の絵はがきが持つ感情的なパワーと、正当化を許さない白黒の目標の強みを組み合わせることはできるのか?
「空井戸を掘らない」
変革に成功した大半のケースで、変化は「見て、感じて、変化する」の順序で起こる
大半の人々は「分析し、考えて、変化する」の順序で変化が起こると考えている
コッターとコーエンは、分析的手法が有効なのは「変数が既知であり、想定条件が少なく、将来が不透明ではない」場合だと述べている
なんらかの感情を芽生えさせる証拠を突きつけられたとき、変化が起こる
若者が服薬計画に従わなかったのは知識の問題ではなく感情の問題だった
化学療法や回復について補足情報を教えてくれるゲームを開発し、子どもたちにプレイさせた
服薬計画の遵守率が向上した
多くの子供達はそれほどゲームをプレイしていなかった
20レベルまで遊んだ子供も1~2レベルまで遊んだ子どもも行動の変化の度合いは同じ
マーケター「アイデンティティに訴えかけているからだ」
マーケターは短時間のテレビCMで視聴者の行動を変える
BMWの情報ではなく、BMWを変えばこんな人間になれる
「がんによって命を吸い取られる僕」ではなく、「がんと勇敢に戦うナノロボット」
大半の人が自分は平均よりも上だと考える
人々は他の人よりも正確に自己評価できると主張する
肯定的幻想によって変化に重要な方向感覚が乱れてしまう
幻想を生み出しているのは、「リーダー」や「チームプレイヤー」などの単語を都合よく解釈しているから
私は優れたAだ。なぜならBをしているから。
変化を起こす感情は危機がいい?
セラピストも危機が重要だと考えていた
組織変革に関する文献でお馴染みのフレーズ
焼かれるか飛ぶか
脅して変えさせる手段が必要だという話
ネガティブな感情にやる気を奮い立たせる効果があるのは事実
素早く具体的な行動が必要なら、ネガティブな感情が役に立つ場合もある
変化の必要な場面の大半は、「靴の中の石ころ」と同じ状況ではない
ポジティブな感情はやや謎めいている
ネガティブな感情と異なり、一定の行動を引き起こすわけではない
一つ一つに特有の表情があるわけでもない
ネガティブな感情には「思考を狭める」効果がある
ポジティブな感情には思考や行動の幅を「広げて養う」効果があるとフレデリクソンは主張する
より大規模で曖昧な問題を解決するには、柔軟な心、創造性、希望を育む必要がある
思っていたよりもゴールラインの近くにいると感じさせるのが、行動を促す一つの手
10回で洗車無料になるスタンプカード
2個既に押してあるカードを渡したグループ: 34%がためきった
ゼロからはじめるグループ: 19%
メイドはジムに行く必要がないくらい運動している
運動のメリットと仕事でそれを満たしていることを伝えたグループ: 1ヶ月後に0.8kg減少
運動のメリットについては同じく伝えたが仕事が適切な運動になっているとは教えなかったグループ: やせていなかった
やる気のない象を動かしたいなら「変化を細かくするべき」
目標を小さくすることで掃除を遂行する自助テクニック
手順
1. キッチンタイマーを用意して5分にセットする
2. 家の中で最悪の部屋に行く
3. タイマーをスタートさせたら手当たり次第に片付けていく
4. タイマーが鳴ったら作業は終わり
面白くもない作業を始めるのが難しい
5分より長く続ける可能性も高い
10万ドルの負債を返した方法
手順
負債をすべてリストアップする
金額の小さい順に並べていく
負債の最低支払額のみを支払う
最低支払額を支払ったら、残りの支払いをリストのいちばんうえの負債の返済に当てる
返済したら線を引いてリストから消し、少額な負債を順番に返済していく
負債がひとつなくなるたびに、最低支払額が減る
返済のスピードが少しずつ上がっていく
利息を一切考慮しない
20%以上の利息がかかるクレジットカードの請求書よりも先に、利息がかかっていない公共料金を支払うようアドバイスする
やる気を燃やすことが何より重要
効率最大化の問題ではなく、象の問題
マイルストーンが自然に生まれると思ってはならない
変化を促すには、みずから計画する必要がある
進歩を目に見えるようにする
解決志向療法の奇跡の尺度
0~10
初回に現在のスコアをたずねると、多くが2~3と答える
「すごい!もう2割も奇跡に進んでいる!」
スタンプを2つ押している
旅がわかりやすくなる
「どうすれば3になるだろう?まずは3になる方法を考えましょう」
小さな成功によって、
困難が和らぎ(これはどうってことない)、
要求が抑えられ(これだけやればいい)、
能力レベルの認識が向上する(これならできる)
誰も小さな成功を保証できるわけではない
コントロールできるものごとには知恵を振り絞るべき
小さな成功を選ぶときには、ふたつの性質を持つものを選ぼう
意義があること
手が届くこと
両方を満たすのがむずかしいときには、後者を優先すること
「次の行動は?」と自分に問いかける
作業リストをつくるときに大半の人々は根本的なまちがいを犯している
「経費を精算する」「スライドショーを作成する」など項目をかきまくる
行動を曖昧にしすぎて、結局はサボる可能性が高い
人は選択を下すとき、意思決定の2つの基本モデルのいずれかにたよる傾向がある 結果モデル
費用便益上の満足度最大化
1. 自分は何者か?
2. 自分はどのような状況に置かれているか?
3. 自分と同じ状況にいる人々ならどう行動するか?
私達は単一のアイデンティティを持って生まれてくるわけではない
人生の中でアイデンティティを取り入れていく
アイデンティティは人々の意思決定において中心的な役割を果たすので、アイデンティティを脅かす変革活動はたいてい失敗に終わる
変化を結果の問題ではなくアイデンティティの問題にする
ブラジラータの従業員は発明家というアイデンティティが与えられ、発明家というアイデンティティがプライドや強みの源になった
安全運転の看板を芝生に設置するお願い
83パーセントが断った
76%が同意したテクニック
2週間前に安全運転の小さなステッカーを貼るように頼む→大半がOKする→二週間後に看板を頼む
「カリフォルニアをいつまでも美しく」嘆願書に署名→交通安全に署名
半数がイエス
署名しなかった家のオーナーに比べると3倍
2つは全く関係ないがフット・イン・ザ・ドアになっている
家のオーナーのアイデンティティ意識に変化が生じたのではないかと推測した
フット・イン・ザ・ドアはペテンの部分がある
相手を騙している部分
看板の実験の科学的な部分に注目する
人々は新たなアイデンティティを養うのに許容的
学習姿勢(learning framework)
エドモンドソン
学習や上達の機会を最大限に増やす習慣
環境を変えるというのは、適切な行動を取りやすくし、不適切な行動を取りにくくするということ
アマゾンのワンクリック注文
看護師の投薬ミスをなくす
投薬チョッキ
投薬中であることを視覚的に提示する
看護師・医師から不評だった
屈辱的
「ミスを犯す可能性があると自分から訴えているようなもの」
「劣等生」
必要な時にかぎって見つからない
色も不評、どうやって洗うの?
しかし半年の試験期間でミスは47パーセント減っていた
データが出ると嫌悪感は薄れていった
一つの病棟を除いて全病棟が採用。開始月にミスは20パーセント減少
採用しなかった病棟はミスが増えた
無菌操縦席(sterile cockpit)
航空機が1万フィート未満を飛んでいる場合は、飛行に直接関わる内容を除き、コクピット内での会話を禁止する
事故は操作が非常に忙しい離陸・着陸時がほとんど
ITグループが無菌操縦席を導入
沈黙時間を定めた
自分自身の行動を変える時は、自分にセルフコントロールを課すよりも、環境を変えるほうが必ずうまくいく
制約を課して自由を得る
不適切な行動をほぼ不可能にしている様々なイノベーション
子どもには開けられない薬剤のボトルキャップ
ブレーキペダルを踏まない限りギアがPから移動しない自動車
事故を主に「発生前」「発生時」「発生後」の3つの期間に分けて体系的に考察
アクション・トリガー
クリスマス・イブの過ごし方に関するレポートを書くと追加の単位がもらえるという選択肢を与えた
12月26日の提出期限に実際に書いて提出したのは33パーセント
あらかじめレポートを書く正確な時間と場所を宣言させられたグループは75パーセント
自分がしなければと思っていることに関しては、アクショントリガーはやる気を生み出す大きなパワーとなる
これを行うと行動の支配権を環境に委ねるのだという
変化を支える習慣を生み出すには
目標達成の助けとなる習慣をつくること
比較的取りやすい習慣をつくること
シンプルなチェックリスト
環境を変えること、習慣を生み出すこと、この2つの戦略を見事に組み合わせる道具
タンザニアの援助交際撲滅キャンペーン
ラジオ・コマーシャル
援助交際を揶揄するニックネームを作り出す
悪役に「ファタキ」という名前を与える
他人の介入を促す行動をモデル化する
タンザニア全土に展開され、ファタキが話題にのぼるようになった
内心ではずっと非難していた悪い行いを象徴する呼び名とキャラクターを手に入れた
企業文化
ルイス・ガースナー「IBMでの約十年間に、わたしは企業文化が経営のひとつの側面などではないことを理解するようになった。ひとつの側面ではなく、経営そのものなのだ」
キャサリン・ケロッグは、規制に従う組織と従わない組織がある理由を解明しようと考えた
変革の成功を左右するのは病院内でもっとも小さな業務チームだということを発見した
改革に成功したa病院では回診が火種となり、いわば秘密の決起集会となった
b病院では回診は何の役割も果たさなかった
グループの多数はメンバーに気づかれることなく、改革論者が集まって集団行動の準備を行える小規模な集会
公民権運動のリーダーたちは、南部の黒人教会をフリースペースとして利用した
フランス革命ではカフェがその役割だったはずmtane0412.icon
変化が変化を呼ぶ雪だるま効果