アイデアというのは複数の問題を一気に解決するものである
宮本茂の言葉
HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN - 1101.com
糸井 まえに岩田さんと話したときに、「アイデアというのはなにか?」という話をしたじゃないですか。
岩田 宮本(茂)さんのことばですね。
糸井 そうです。つまり、宮本さんによれば、「アイデアというのは複数の問題を一気に解決するものである」
ということなんですが、この話を事務所のみんなにしたところ、ものすごく感心されまして。
せっかく岩田さんがいらっしゃってることだし、あの宮本さんの発言の意図と、岩田さんの分析をくわしく聞かせてもらえたらなと思うんですが。
岩田 あれは、ゲームをつくってるときに、宮本さんが言ったんですよ。ですから、宮本さんはゲームをつくるときのひとつの方法論として、おっしゃってたんですけど、わたしは、ゲームづくりに限らず万能な考え方だと思うんですよね。
岩田 宮本さんが「わかった」と言ったのはそのときにいっしょにつくっていたゲームのアイデアだったんですけど、まさに、「このアイデアで、悩んでる問題が、三つ四ついっぺんにきれいになる」というものだったんですね。
糸井 まさに、それが「アイデア」だと。
岩田 そうなんです。ひとつ思いついたことによって、これがうまくいく、あれもうまくいく‥‥。それが「いいアイデア」であって、そういうものを見つけることこそが、全体を前進させ、ゴールへ近づけていく。ディレクターと呼ばれる人の仕事は、それを見つけることなんだって宮本さんは考えているんですね。
岩田 で、それを自分なりに受け止めると、これは、まったくゲームに限った話じゃないぞと。世の中、あちらを立てればこちらが立たないことだらけです。そういう状態を「トレードオフ」と呼ぶんですが、世の中のあらゆる人たちはトレードオフの問題に直面しているんですね。お金はたくさん使えた方がいい。人がたくさんいた方がいい。かける時間は長いほうがいいものができる。そんなことはわかりきってますけど、そのわかりきったことをしているうちは、ほかの人と同じ方法で進んでいくだけですから競争力がないんですよ。
岩田 「多かったら少なくしよう」「足りなかったら増やそう」というふうに、いま起こってる事象をそのまましらみつぶしに解決していくのは、誰でもできることだし、工夫もいらない。たとえば、ある料理店で、お客さんが出てきた料理について「多い」と言ってる。そのときに、「多い」と言ってる人は、なぜ「多い」と言ってるのか。その根っこにあるものは、じつは「多い」ことが問題じゃなくて、「まずい」ことが問題だったりするんです。
岩田 問題となっている事象の根源を辿っていくと、いくつもの別の症状に見える問題がじつは根っこでつながってることがあったり、ひとつを変えると、一見つながりが見えなかった別のところにも影響があって、いろんな問題がいっしょになくなったりする。そういうふうに、ひとつのアイデアがいろんな問題をいっぺんに解決して、全体を一気に見渡せたそのときに、宮本さんは「わかったよ」って、人に電話をかけたくなるんでしょうね。
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#問題解決 #ゲームデザイン