「あたりまえ」の新発明
Web+DB Press総集編に書いた記事
下線付きの文字列を見ると Web ページへのリンクだと解釈する人が多いでしょうが、これは高名な UI研究者の Ben Shneiderman が何十年も前にハイパーテキストの研究の一部で提案したものが普及したものです。 ファイルシステムでも URL でも「/」で階層を表現するのがあたりまえだと思われていますが、もともとこの表記は Unix のファイルシステムで導入された表現であり、「/」で区切って階層を表現するのがあたりまえだと思われたため、URL 表記でも「/」が利用されたのだと思われます。 誰もがあたりまえのように「コピー&ペースト」を利用していますが、これは Xerox PARC にいた Larry Tesler が発明したものが普及したものです。 日本語入力で「予測変換」を利用するのは現在はあたりまえになりましたし、Helpfeel注2のような「予測検索」もあたりまえになる可能性がありますが、これらは私の提案がもとになっています。 一度使うと忘れないインタフェースは「インタフェースのイディオム」と呼ばれます。メニューやスクロールバーは良いイディオムです。時間をかけて気合いを入れて簡単な良いインタフェースを提案すると、「あたりまえじゃん」と言われてガッカリすることがありますが、それは正しい提案である証拠かもしれません。 現状のものにとらわれず、将来の常識の発明を目指す
そもそも人は何がしたいのかを考えて開発する
20 年後も使える話か? といった選球眼を磨く
認証機構や非同期通信など、わかりにくいものをなくす工夫をする