Drifting

パフォーマンスの要素を取り入れたインスタレーション作品。展示空間は壁で囲まれており、その向こう側に存在する匿名の他者が絶えず紙飛行機を折り、こちら側の空間に投げてくる。また、展示空間には仮想の公共空間（VRChatの集会場）を表示したディスプレイが設置されている。仮想の公共空間にいるアバタの身体は、壁の向こう側の匿名の他者と連動している。

私たちがゲームをしている時、身体は二つの空間に存在し、意識は二つの空間を漂うように行き来する。こういった空間の二重性に着目し、バーチャルな空間と現実空間の双方をパファーマンスとインターネット的 (SNS、VRSNS、オンラインゲーム ) な通信のメタファー（壁と紙飛行機）を活用して展示空間 ( 物理空間 ) に切り出す。そうしてバーチャル空間と現実空間に二重に存在する人間存在の輪郭の揺れ動きによって他者を認識し、また同様に二重の空間を漂うように行き来する意識を再発見する。人を感じていながらも静かなままの状態にとどまることを考える。

https://youtu.be/W89HQ3NG22o

material : 壁、紙飛行機、display、ブラインド、PC、VRChat

2024/09