複数のレシピを元に計算する

formatterに、複数のルールを適用して、最終的な整形を行う

誰にも伝わらない具体例で言うと、

1つの反物を、カーテン、タッセル、フリルのようにいくつかの用途に使う

窓のサイズから完成物の高さを計算する際に、いくつかの補正ルールを適用する

いくつかの注文内容から、ルールに従って最終的な加工代を算出する

こういったものはいずれも、

最終的に求めたい値であるSと、

それを計算するためのレシピ集Eの集合で

連鎖的に求められる

2つの方針が考えられる

他にももっとありそう

Fold pattern

reducerのように、stateとeventとみなす

例えばtextや高さをstateとみなして、個々のレシピをeventとみなす

[e1, e2, e3, e4].reduce(reducer, initState)のようにして個々のpluginを使える

pipeline pattern

個々のレシピをinput/outputが同じ構造の関数として表現する

e = e4 . e3 . e2 . e1のように関数を合成して、それにsを適用することで結果が得られる

利点

個々のレシピの足し引きがし易い

Eを束ねているところに1つ追加削除するだけ

code:ts

const rules = addNewLines, emphasizeKeywords, removeExtraSpaces;

結合が小さくなる

元の処理が具体的なレシピの知識を知らずに済む

例えば、上記のアプローチをしない場合、calcSizeのような関数はtasselなどの具体的な要素を引数に取る必要がある

が、このアプローチをすればRecipe型というinterfaceにのみ依存すれば済む

その関数の呼び出し元かどこかでレシピを構成することになるが、そこで具体的なものに依存すれば良い

外部との境界付近で作れば良い

code:ts

const applyFormat = (text, rules) => rules.reduce((acc, func) => func(acc), text);

凝集性が上がる

tasselに関するルールは、tassel package内に入れれば良い

sizepackageかtasselpackageのいずれに入れるかというトレードオフを取っている

関数の型を見れば、補正用のものだなと言うのが瞬時にわかる

code:ts

// keywordFormat.js（仮想のモジュールファイル）

export const emphasizeKeywords: Rule = (text) => text.replace(/重要/g, "**重要**");

// newLineFormat.js

export const addNewLines: Rule = (text) => text.replace(/。/g, "。\n");

// main.js

import { emphasizeKeywords } from './keywordFormat';

import { addNewLines } from './newLineFormat';

const formatFunctions = addNewLines, emphasizeKeywords;

問題点

順序に依存する処理がありうる

例えば、補正の例で考えると、height -> 更新したheightのような型のレシピを作るが、

乗除が含まれるような物がある場合、レシピ構成時の順序が回答に影響してしまう

レシピ内での条件が複雑な場合に読みづらくなる

code:ts

type A = 'a1' | 'a2'

type B = 'b1' | 'b2'

type C = 'c1' | 'c2'

のような構造があるときに、

a1のとき、b1|b2ごとに別の処理をし、

a1のとき、b1|b2とc1|c2ごと(4パターン)で別の処理をする

のような、2 + 4 = 6パターンで別の結果になるような補正があるとき、

この6個をフラットに並べるより、構造化して書かれている方が読みやすい

どこでレシピ集を構成するかという話が出てくる

上記でいうと、[e1,e2,e3,e4]といった配列をどこで定義するのかという話である

特に、[e1(a), e2(b,c), e3(c), e4(d)]のように、個々のレシピの構成自体に引数が必要なときに問題になる

レシピ集を構成する場所が散らばるのは良くない

いくつかの場所でreducerを呼び出したいときに、その場所ごとにe[]を構成するのは良くないということ

レシピの追加漏れがありうる

レシピの追加があるごとに、それら全部をに1行追加する必要が出てくる

2つの方針

大きなobject → レシピ集という関数を1つ用意する

これを外部との境界で呼べば良い

対象の関数の中で構成する

レシピ集の構成と適用を同じ場所で行う

しかしそうすると、対象の関数が結局具体的な要素に依存してしまう

code:ts

const calcHeight = (h: Height, t: Tassel)=> {

const rules = [

// 引数を使ってルールを作成

];

return rules.reduce((acc, rule) => rule(acc), h);

};