融合変換
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Haskellの融合変換(fusion)は、高階関数を使用したリスト操作を効率的に行うための最適化技術の一つです。融合変換の目的は、リストを生成してすぐに消費するような中間リストを生成せずに、直接的な計算を行うことで、メモリ使用量と実行時間を削減することです。
融合変換の基本的なアイディアは、mapやfilterのような高階関数の連鎖を、一つの関数に「融合」することです。
例を見てみましょう:
code:hs
このコードは、1から1000までのリストの各要素に1を加えて新しいリストを作り、そのリストの合計を計算します。しかし、中間リストを作成することなく、合計を直接計算することができます。融合変換を適用すると、この操作は以下のように最適化される可能性があります:
code:hsj
さらに融合を進めると:
code:hs
foldl' (\acc x -> acc + x + 1) 0 1..1000 このように、中間リストを生成することなく直接合計を計算します。
Haskellのコンパイラ、特にGHCは、このような融合変換を自動的に行うことができる機能を持っています。これは、build/foldr融合やstream/unstream融合など、いくつかの異なる融合方法を使用して実現されています。
融合変換の利点は、メモリ使用量の削減と計算速度の向上ですが、すべての場合に融合が適用されるわけではありません。そのため、実際のコードの動作を理解し、必要に応じて手動で融合を誘導することも重要です。