欠損値
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欠損値の分析や扱い方はデータ分析において非常に重要なステップです。
欠損値が存在するデータを適切に扱わないと、誤った結論に至るリスクがあるため、注意が必要です。
以下に、欠損値の分析方法や対処方法について詳しく解説します。
欠損値の種類
欠損値は、その発生原因に応じて以下の3つの種類に分類されます。
Missing Completely at Random
データが完全にランダムに欠損している状態。
欠損値が他の変数や観測値とは無関係に発生する場合です。
MAR
Missing at Random
欠損値の発生が他の観測された変数に依存しているが、欠損している変数自体には依存しない状態です。
例えば、年齢が高いほど収入のデータが欠損しやすいが、収入自体の欠損には関連がない場合。
Missing Not at Random
欠損値がその変数自体に依存している場合です。
例えば、収入が低い人が収入を報告しない傾向がある場合など。
欠損値の分析方法
欠損値の分析は、データの欠損状況を把握することから始まります。
具体的には、以下のような方法があります。
- **欠損値のカウントと割合の確認**:
欠損しているデータの数や割合を確認します。
Pythonではpandasを用いて、isnull().sum()やisnull().mean()で欠損値のカウントや割合を確認できます。
- **欠損値パターンの可視化**:
欠損値がどのように分布しているかを可視化することが重要です。
例えば、seabornのheatmapやmissingnoライブラリを使うと、どの変数に欠損が集中しているかを視覚的に理解できます。
- **相関の確認**:
欠損値が他の変数と相関があるかどうかを確認します。
pandasのcorr()関数を使って相関行列を作成し、欠損値が特定の変数に影響を与えているかを確認します。
### 3. 欠損値の対処方法
欠損値の対処方法にはいくつかのアプローチがありますが、データや分析目的に応じて最適な方法を選択する必要があります。
- **削除 (Deletion)**:
欠損値を含むデータを削除する方法です。
- **リストワイズ削除**:
欠損値を含む行全体を削除します。欠損が少ない場合に有効ですが、データが大幅に減少するリスクがあります。
- **ペアワイズ削除**:
分析に必要なペアごとに欠損値を無視する方法です。行全体を削除するよりデータの損失が少ないですが、計算結果が不安定になることがあります。
- **補完 (Imputation)**:
欠損値を推測して補完する方法です。
- **平均・中央値・最頻値で補完**:
欠損値を持つ変数の平均値、中央値、または最頻値で補完するシンプルな方法です。バイアスがかかる可能性があります。
- **前後の値で補完**:
時系列データの場合、前後の値を使って補完することができます。
- **多重代入法 (Multiple Imputation)**:
欠損値を複数の推測値で補完し、その結果を組み合わせて分析する方法です。高度な手法ですが、信頼性が高いです。
- **モデルベースの補完**:
機械学習モデルを使って、欠損値を予測し補完する方法です。例えば、回帰モデルやk近傍法 (KNN) を使って欠損値を予測することが可能です。
- **旗を立てる (Flagging)**:
欠損値が特定の分析や予測において重要である場合、欠損値が存在するかどうかを示すダミー変数(フラグ)を作成することも有効です。
### 4. 欠損値処理の注意点
- **バイアスの導入**
補完や削除の方法によってはデータにバイアスを導入してしまう可能性があるため、選択する手法には注意が必要です。
- **データの意味を考慮**:
欠損値が示す意味(例えば、意図的に入力されていないデータなのか、システムエラーによる欠損なのか)を理解し、それに基づいて適切な処理を行うことが重要です。
- **複数の手法を試す**:
欠損値の処理は一度に決めるのではなく、複数の手法を試して、最も適切な方法を選択することが推奨されます。
存在しないデータ
存在するが観察できなかったデータ
欠損値自体の分析も必要
データ収集時に問題が起きてないか確認するためだったり、
欠損値によってデータに誤差・偏りが発生してないかを確認するためだったり