回帰不連続デザイン
Regression Discountinuity Design, RDD
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回帰不連続デザイン (RDD)は、因果推論を行うための手法であり、特に自然実験や政策評価の分野で広く利用されています。 この手法は、ある閾値を基準に処置を受けるかどうかが決まる場合に、その閾値付近のデータを使って処置の効果を推定することが特徴です。 RDDの基本的な考え方は、閾値を挟んで「わずかに上」または「わずかに下」の対象者が、その他の点では非常に似ていると仮定し、その微小な違いを利用して因果関係を推定することです。
例えば、学生の成績が特定の基準を上回ると奨学金を受けられる場合、その基準をわずかに上回った学生と下回った学生の成績を比較することで、奨学金が与える影響を評価することができます。
RDDが有効な使い所としては、以下のようなケースが挙げられます
- 教育政策の評価: 試験の成績によって進学支援が決まる場合、進学支援の効果を測定するために用いられます
- 公衆衛生の介入: 健康診断の結果に基づいて医療サービスが提供される際、そのサービスの効果を評価する際に利用されます
- 社会福祉政策: 所得が一定額を超えるかどうかで給付が変わる場合、その給付の影響を分析するのに適しています
RDDは、実験を行うことが困難な状況でも、自然発生的に得られたデータから信頼性の高い因果推論を行うための強力な手法です。しかし、この手法は閾値付近のデータが十分に多く存在し、またそのデータが他の外的要因によって偏っていないという前提に依存します。したがって、RDDを適用する際には、データの質や閾値の選定が非常に重要になります。