Telepresence
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Telepresence は、Kubernetes クラスター上で動作しているサービスとローカル環境をつなげるためのツールです。特に「開発・デバッグのしやすさ」を解決するために使われます。
背景問題
Kubernetes 上にアプリをデプロイすると、開発中のコードを試すためには
イメージをビルド
レジストリにプッシュ
kubectl apply などでデプロイ
を繰り返さなければなりません。
このフローは非常に遅く、ローカルでのデバッグもしにくいです。
Telepresence の仕組み
Telepresence を使うと、以下のことが可能になります。
1. プロキシを張る
ローカルのマシンから Kubernetes クラスタに双方向のネットワークプロキシを作る。
これにより、あたかも自分の PC がクラスターの一部であるかのように振る舞えます。
2. サービスの置き換え (Intercept)
例えばクラスタにある my-service に対するリクエストを、ローカルで動かしている localhost:3000 のアプリに転送できる。
→ 実際の依存サービスはクラスタ側を使いながら、自分が開発中のサービスだけローカルで差し替えて試せます。
3. 環境の統合
クラスタ上の ConfigMap や Secret、Service にアクセスできる
ローカルで IDE を使ってブレークポイントを貼りながらデバッグできる
クラスタ内通信(DNS 解決、Pod とのやりとりなど)もローカルから可能
ユースケース
マイクロサービス開発
依存関係が多いマイクロサービス環境で、特定の1つのサービスだけをローカルで改修・デバッグ。
API の動作確認
実際のクラスタ内リソースに接続しながら、新機能をすぐ試せる。
CI/CD 前の素早い検証
デプロイせずに、手元のコードで挙動を確認。
メリット
開発の反復速度が大幅に向上
クラスタに依存する挙動を正しく再現可能
ローカルデバッグが容易
デメリット / 注意点
セキュリティ: クラスタ内部のネットワークに直接入れるため、RBAC やアクセス権限設計が重要
複雑さ: VPN 的な仕組みを使うため、ネットワークがやや複雑になる
パフォーマンス: 通信はプロキシ経由なので、多少の遅延が発生する