Rational型
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はい、RationalはHaskellで特別な方法で内部的に表現されており、浮動小数点数(FloatやDouble)のように機械組み込みの演算を使うわけではありません。そのため、計算の正確さを保証する代わりに、メモリ使用量や計算コストが高くなることがあります。
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Rationalの内部表現
Rationalは以下のように実現されています:
1. 有理数の基本的な定義
有理数は「分子」と「分母」のペアとして表現されます。
Haskellでは、分子と分母は両方とも任意精度整数型のIntegerとして表現されます。
code:haskell
type Rational = Ratio Integer
code:haskell
data Ratio a = !a :% !a -- 分子と分母のペア
aは型変数で、通常はIntegerが使われます。
:%はコンストラクタで、分子と分母を分けます。
3. 約分
Ratioを作成するとき、常に最小の形に約分されます。
例えば、6 % 8を作成すると、内部では3 % 4として表現されます。
code:haskell
(n :% d) = reduce n d
reduce関数では、最大公約数(GCD)を利用して約分します。
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なぜメモリを多く使うのか?
1. 任意精度のInteger
Rationalの分子と分母がInteger型であるため、非常に大きな値を扱う場合でも正確な計算が可能です。
ただし、Integerは可変長で、必要なビット数に応じてメモリを動的に確保するため、メモリ使用量が増える可能性があります。
2. 浮動小数点数とは異なる計算方法
浮動小数点数はハードウェア(CPUやGPU)による最適化された演算を使用するため、非常に高速ですが、誤差が生じます。
一方、Rationalは整数演算を使って分数の形を保持し続けるため、誤差がありませんが、計算のたびに分子と分母を更新し、約分する必要があります。
3. 分母の追跡
Rationalは分母も保持する必要があるため、単一の値(FloatやDouble)よりも余分なメモリが必要です。
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利点と欠点
利点
演算結果が正確で、丸め誤差がありません。
数値解析や分数を正確に扱う必要がある場面に適しています。
欠点
演算が遅く、メモリ消費量が大きくなる場合があります。
特に分母や分子が非常に大きな数になると、計算コストが指数関数的に増えることがあります。