360度評価
組織によっては「ピアレビュー」とか「同僚レビュー」とか言われてるやつ。
もう10年くらいやっているのだけど、個人的にはこの手法に大きな疑問と嫌悪感があるのでそれについて記しておく。端的に言うと、360度評価で物事が良くなったという経験が無い。費用対効果が合ってないと思う。
念のために言っておくと、360度評価を組織が求めているのであればそれは大真面目にやります/やってます。仕事なので……
年に数回しか無い機会で指摘されたことを改善できると思えない
「ここが改善ポイントですね」みたいなことを半年や四半期ごとに言われて直るわけがない
そんなので直るなら指摘される前に直ってる
というかそんな長いインターバルがあるタイムスケールでしか改善できないのはヤバい
改善すべき点があるのであれば常日頃から指摘する方が良いのであって「折角のレビューのタイミングだから……」というのはおかしい
これは「承認」についてもそう。レビューのタイミングでなくとも日頃から良い振る舞いは承認した方が良い。
気軽に指摘・承認できないのであれば、それは組織の問題では?
もしそれでもなお、360度評価で指摘されたポイントが改善されると思っているのであればちゃんと効果測定をすべきであって、それが成されないのであればただの無駄な儀式。
そもそも人間は変わらない (変わりにくい)
360度評価で評価を行なう人間は評価のプロではない
本来は評価のプロであるマネジャーレイヤーのロールの人がやるべき
評価をするための人的リソースが足りないから、その労力を360度評価という形で従業員にアウトソース・転嫁しているという認識。
それは組織構成がおかしいのでは? ちゃんと常日頃からメンバーのマネジメントをやって、正しく評価できる人を組織内に十分に配置すべきなのではないか。
ちゃんと定期的に1 on 1やって、チームを見渡して、こまめに取り組んでいる具体的な内容や要望や困っていることや苦情を吸い上げて、それをもとにメンバーに適切にフィードバックしつつ適切に評価するという営みが本来求められるのでは。
「アマチュアの評価がどれくらい参考になって有益なのか (反語)」という話題
その評価内容を100%額面通りに受け取って良いのかという問題
その内容についてfact checkが必要なのであればもはや意味なくない
そしてだいたいどうせ無難な内容が書かれるに決まっている。
「的確・有益なフィードバックをする」というのはそれだけで能力であって、誰しもが持ちあわせている技能ではない
つまり、全員がフィードバックのプロになる、というのは1つの理想的な組織の形かもしれない。
昇給やプロモーションに寄与した経験が無い
寄与してたのかもしれないけど。
レビューフィードバックが単なる「承認プロセス」になってませんか。
もしちゃんとやるなら「360度評価でフィードバックされたこことここが今回のプロモーションの1要因になりました」だとか「フィードバックされた改善ポイントが見事に改善されたのがポイントです」みたいな感じで事実を示してほしい
単純にレビューに必要な労働の量が多く通常業務に支障をきたす
つらい