最近のプロトタイピングについて思うこと色々
moznion
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プロトタイプ華の時代
リーンなプロダクト作りはもはや普通になってきた
LLMの台頭
特に昨今のLLM poweredなコーディングツールの発展は目を見張るものがある。
さて「プロトタイプ」
技術的に可能かどうかを検証するためのプロトタイプ
市場的に受け入れられるかどうかを検証するためのプロトタイプ
動く物を見ないとどういうものかわからない想像力のない人を黙らせるためのプロトタイプ
上2つが価値の高いプロタイプであるという認識。
下の1つはまあ必要になることもありますね。頑張りましょう。
技術的に可能かどうかを検証するためのプロトタイプ
基本的には要素技術を検証できれば良いことが多いはず
「組み合わせ」もあるにはあるが、全体をまるっと検証しなければならないということは稀
LLMが得意とする領域(であると思う)
既存システムと連結する方法や、プロジェクト内での一貫性の確保などを考える必要がある
off topic: 一貫性のないプロジェクト内でのLLMの成果物はクソになりがち
ここは一定、人間が考えるべき余地がある
市場に受け入れられるかどうかを検証するためのプロトタイプ
機能が一揃いになっている必要がある
社内テストで留めるか、一般ユーザーに露出するかはさておき、一通り使える状況になっている必要がある
効果測定のフックを入れておく必要がある場合も多い
単体のプロダクトで成立するものでない場合、既存のシステムと接続されることになるはず
LLMの登場によりプロトタイプのコストが激しく低下した
どんどんコードが生成されるのでプロトタイプを作ることができる
これは素朴に良いことであると思う
その一方
既存のソフトウェア資源と整合しない形で作られることもしばしば
不要なコードも生成される
有り体に言うと、油断をするとプロダクトの品質が下がる
それもすごい速度で
悪貨が良貨を駆逐する(©️レギュラー)
書き捨てならば良いかもしれないが、プロトタイプを「書き捨て」にするのは勿体無い場合がありそう
プロトタイプを書いて捨てるということは検証した結果も捨てることになりかねない
思うような結果が出なかったのであれば良いですが……
このへんは検証したい内容と量とのバランスであるようには思う
それはそうとLLMと正しく向き合う
正しく、有効な形で使う
過信しない、油断しない
LLM(の基盤モデル)の進化を信じる
俺はこう思うッス
プロトタイプだからといって品質が低くて良いわけではない。プロトタイプは低品質の免罪符ではない。
お客さんは「プロトタイプ」として使ってくれるわけではない
betaやラボ機能という建て付けで出すのは提供者側の都合
お客さんがその期待値で使ってくれるとは限らないし、壊れてるとやはり不愉快になる
プロトタイプを本機能にするときに元の品質が低いと作り直しになる
そのコストが払えないと品質が低いコードがそのまま流用されることになる
その方が楽なので……(人間は弱い)
なまじ機能が一揃いになっているので所謂「返済できない負債」になりがち
プロトタイプはいずれにせよ、既存のコードベースと地続きになっていて、一貫しているべき。独立していると使いにくい。「書き捨て」として扱うのではなく、資産として活用できる形になっているのが望ましいと思う。
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Excuse:
それはそうとして、LLM時代のプロダクト作りとしては、クオリティがそこまで高くなくても良いからLLMに大量にアイデアを具現化させてどれか一つでも当たったらそこに厚く投資をするという手法が出てきている
主軸となるプロダクトがない組織、あるいは別の軸を持ちたい場合は有効である可能性は高い
このやり方が将来にわたって継続的にうまくいくのかは正直計りかねている
手法の一つにはなり得ると思う