Ryoji Ikeda
Ryoji Ikedaサウンドを初めて聞いたのはダムタイプのVoyagesの公演だった。彩の国さいたま芸術劇場、高校生の時だったと思う。はじめは全く良さがわからなかった。ああいった爆音は聞いたことがなかったので、ただ胸が苦しくなって不快な経験だったように思う。その後、大学に入ってから、ダムタイプというバックグラウンドやRaster-Notonのことを知る。最初に聞いたのは+/-とかだったかも。
自分が大学に在学中だったかにtest patternシリーズが作られた、作品が映像を含んでどんどん大規模化して行ってついに人間を包む空間を埋めるまでになった。それまでもパルスやサイン波と言った基本的な音素のみに絞った表現だったが、ここではより直接的にテストパターンというタイトルに。
これは本来のテストパターン(機械の性能をテストをするための単純なパルスやトーンと言った信号)と言う意味の他に、機械の性能が上がっていて、解像度がもはや人間の知覚の限界を超えた状況になると、テスト対象は機械というよりはむしろ人間の方なのではないかという。