高畑勲
『火垂るの墓』には、二義性や人生への後悔など豊かな物語性がある。その点だけで今も色あせていない。切羽詰った状況での英雄性や気高さの欠如の物語であり、その点では、ほぼアンチハリウッド映画だ ハリウッド映画なら、困難なときにはヒーローが必要だと信じさせようとするだろう。高畑勲は反対の弱さを表現する。困難なときに最も必要なのは謙虚さ、忍耐、自己抑制だと。それによって生き延びられるのだ
米国の編集者で、日本のマンガ・アニメ業界を論じた「Japanamerica(ジャパナメリカ)」の著者、ローランド・ケルツ