雇用契約
雇用契約書とは、民法第623条に基づいて、企業と従業員の間で合意した雇用契約の成立を証明する書類です。民法上は、当事者間の合意のみで雇用契約が成立するため、雇用契約書の締結は法律上義務付けられていません。 雇用契約には、民法のみならず、労働契約法や労働基準法といった労働関連法令が適用されます。そして、使用者は、労働基準法第15条に基づき、賃金や労働時間その他の労働条件を明示しなければなりません 労働条件は労働条件通知書を交付するか、雇用契約書に盛りこまれる(何らかの手段で条件の明示が必要) もっとも、明示することが求められている労働条件を網羅的に記載した雇用契約書2通を締結し、そのうち1通を交付することによっても、労働条件明示義務を履行することは可能であり、「労働条件通知書」という書面を雇用契約書とは別に作成することは必ずしも義務付けられているわけではありません。
労働契約法第6条では、「労働者が使用者に使用されて労働し、使用者がこれに対して賃金を支払うことについて労働者及び使用者が合意することによって成立する」と定められています。 つまり、雇用契約書がなく口約束のみであっても、労使双方が合意していれば雇用契約は成立します。