銀行は資産(貸出)のデュレーションが負債(預金)のデュレーションより長い
邦銀の資産全体のデュレーションは概ね3~5年とされる。一方、調達サイドは普通預金が大半なのでこれより短い。
調達サイド=銀行が客から預かるお金(預金)の期間
銀行は基本的に資産サイドのデュレーションが負債サイドのデュレーションより長いため*10... https://gyazo.com/83a434859e2123795957194b739d30df
実は銀行の預金の大部分は流動性預金であり、ここのデュレーションの算定が負債サイドのデュレーションを見積もるうえでのポイントになります。 素朴に考えれば流動性預金はいつでも引き出すことができるため、デュレーションは0と考えることもできます。
しかし、実際にデータをみると、たとえ金利が上昇したとしても直ちに預金が引き出されることはなく、その意味で、流動性預金はある程度の期間滞留した預金とみることもできます。
実際に読者も金利が動いたとしてもすぐに預金を引き出したりしないことに実感があるはずです。
問題を簡単にするために動かない部分であるコア預金を考える わが国の場合、過去十数年間は金利上昇局面がほとんどみられなかったため、金利上昇局面でのコア預金残高を推計することは容易ではない。
金融庁の標準的手法を用いた場合、流動性預金のデュレーションは最大1.25年である。
コア預金モデルを用いた推計では、流動性預金のデュレーションは標準的手法よりも長期になることが多いが、金利上昇局面をどのように捉えるかでコア預金モデルの計測結果に大きなばらつきがみられる。