金融政策(第2版)(2020)
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小林 照義(こばやし てるよし)
神戸大学大学院経済学研究科准教授。1976年岐阜県生まれ。2004年名古屋大学大学院経済学研究科博士後期課程修了。博士(経済学)。
2020
本書の最大の目的は、経済学の専門的な知識を持たない読者にも金融政策の基本を理解してもらうことです。
金融政策の基本を理解するということは、単に実際の金融政策の内容を知ることだけではありません。日本銀行によって発表される金融政策の内容を知るだけでなく、金融政策の背景にある経済学的な考え方を理解することが非常に重要です。
近年の非伝統的金融政策のような新しい政策や、一見して理解が難しそうな政策内容であっても、ポイントを押さえた経済学的な知識があれば理解することは決して難しくありません。
本書では、金融とは何か、通貨とは何か、銀行とは何か、といった根本的な問題を経済学的に解説することから始め、徐々に金融政策について経済学的な見方を身につけられるように構成を工夫しています。
第2版の発行にあたり、改訂された点は大きく分けて次の3つです。
第1に、データに関する図表をアップデートしています。2015年の初版発行時から現在まで大規模な金融緩和が継続していることから、日本銀行の資産保有額で見た緩和規模は当時に比べて格段に大きくなっています。第2に、2015年以降に導入された政策、例えばマイナス金利政策や長短金利操作(Yield Curve Control)に関する解説を追加しました。これらは2015年当時では考えられなかった新しい政策枠組みのため、制度的な面も含めて丁寧に説明することを心がけています。第3に、マイナス金利の常態化に伴って近年議論になっているトピック(例えばリバーサルレート論やデジタル通貨など)を新たにいくつか紹介しています。 <目次>
第1章 金融政策と日本経済
第5章 日本銀行の金融調節1
第6章 日本銀行の金融調節2
第7章 金融政策の波及経路
第11章 「非伝統的」金融政策のまとめと今後の課題
第12章 金融政策の新たな枠組み
第13章 日本とアメリカの金融危機