購買力平価
為替相場は、短期的に様々な要因で振れることがあっても、長期的には二国間の財・サービスの価格が均衡する水準に収束するという理論です。
よく使われるのがマクドナルドのビッグマックの価格です。例えば日本で360円、米国で4.7ドルで売られているのであれば、そこから導かれるドル円の購買力平価は360÷4.7=76.59で、1ドル=76.59円です。2015年5月現在の1ドル=120円の円相場は、非常に円安ということになります。
購買力平価は、時系列的な均衡水準の推移を示すこともできます。日米間の価格差が小さい時点を起点として、その後1年のインフレ率が日本が0%、米国が3%だったとしますと、米国の方が通貨価値が3%下落しているのですから、1年後の為替相場も3%ドル安に均衡水準が移ったとみなします。この計算を繰り返して均衡点を連ねていくと、ドル円の購買力平価のグラフが書けます。この線と比べて実際の円相場が割安なのか割高なのか目安がつきます。ちなみに2015年4月時点を見ますと、実勢相場は均衡水準よりかなり円安にあることがわかります。日本は何でも安いと大勢の外国人観光客が来る一因はそこにあります。
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均衡水準=企業物価PPPでいいのか?基素.icon
Claude 3.5 Sonnet.icon
企業物価PPPを使用することは妥当だと考えられます
企業物価PPPは企業間取引の価格を基準とするため、国際貿易や企業活動の実態をより正確に反映する可能性があります
消費者物価には、非貿易財(サービスなど)や各国固有の流通マージン、税制などが含まれるため、純粋な国際価格比較には適さない面があります
特に為替レートは国際取引に直接関係する企業活動の影響を強く受けるため、企業物価PPPの方が為替レートの長期的な均衡水準を見る指標として適切かもしれません
ただし、これは一つの指標であり、完全な指標ではありません。為替レートの分析には、他の経済指標や要因も併せて考慮する必要があります。
テキストで説明されているのは、PPPそのものではなく、基準時点からの物価変動の差を用いた均衡レート推計の手法です。
これは、PPPを計算する方法というよりも、独自の均衡レート推計方法と理解するべきでしょう。
通常のPPP(絶対的PPP):
両国の物価水準の絶対的な比較
例:ビッグマック指数のように実際の価格を比較
この説明での手法:
ある時点(基準時点)を選び、そこからの物価変動の差を累積
基準時点は「日米間の価格差が小さい時点」を選択
その後のインフレ率の差から均衡レートの変化を計算
これは相対的な変化に注目する手法
なぜ異なるのか:
PPPは現時点での両国の物価水準を直接比較
この手法は過去の「均衡的」だった時点からの変化を追跡
基準時点の選び方が結果に大きく影響する